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【縄文ワールド‐写真家・小川忠博の世界‐】展覧会レポート /花巻市博物館

縄文写真を40年近く撮り続けてきた『写真家・小川忠博』さんの展覧会が開催中です。
考古という枠を飛び越えた縄文の魅力に迫る写真と、合わせて岩手県内の出土品も会場を飾っています。

小川さんの縄文写真と言えば「土器展開写真」
思わず、わー!と声を出してしまうほどの壁いっぱいの大きな写真は、縄文土器の周囲360度を一枚にしてみたら…そんなありえないことが体現できます。

土器の複雑な文様がどのようになっているのか?
縄文土器を見るだけでは分からない文様の成り立ちや、土器の持つ迫力・躍動感、無限に広がる美しさまでもが伝わってくるようです。

左:展開写真、右:正面写真

壁いっぱいの大きさ、立体感にも圧倒されます。

土器文様の美しさと複雑さを再認識。

土偶や土製品なども、通常の標本写真とは異なる視点で見ることができます。
「土偶」は魂が吹き込まれたように生き生きと!

これは展示されている実物の僅か3㎝の小さな土偶。

写真家の手にかかると、ぐっと存在感が増します。

「貝の土製品」の精巧な作りを見られるのも写真ならでは。

「漆塗り櫛」の際立つ繊細な細工も明瞭に。

土器に塗られた「漆の赤」もこんなに鮮やか。

美しい「ヒスイの装飾品」は、より美しく神秘的に。

フライヤーを飾っているのは「トーテムポール状木製品」。高さ60㎝の木材に、人のような顔が彫刻されています。
実物ではわからなかった顔は…こんな感じだったのね!

縄文写真のパイオニア『写真家・小川忠博の世界』に、細かい説明はいらないようです。
新しい視点と自由な発想で撮影された遺物は、縄文の多彩な美しさ、繊細さ、神秘性をそのままに感じることができます。

*展示写真も掲載されている小川忠博さんの書籍

*花巻市博物館


最後までお読みくださり有難うございました。

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