見出し画像

今日会いに行きたい!気になる土偶#104:カラン コロン♬/八王子市教育委員会

カラン コロン~♪
これからお祭りが始まりますよ~
カラン コロン~♬
さあさあ、みんな集まって~!

今から約5000年前 縄文時代中期

『土鈴形土偶』

鈴の役割を持っている土偶です。
空洞になっている体内に土で出来た鈴があり、振ると音が鳴るといいます。
『土鈴形土偶』は数が少なく、さらに土鈴が体内に残ったまま出土したものはごく僅かです。

高さ11㎝。
安定感のある円錐形は座っている姿で、お腹に子どもがいると想像されています。
慈愛に満ちたやさしい笑顔は、お腹の子ども思う母親を表しているようです。

山梨県立考古博物館 企画展

鈴と土偶の組み合わせ。
なぜ、土偶の中に鈴を入れたのでしょうか?

様々に想像できるようですが、
「鈴はお腹の中の子どもを表している」というようにも言われています。

自立していたようですが、今は支えがないと立てません。
(サムネイルの写真は複製品です)

「カランコロン カランコロン」
以前に聞いた実際の土鈴の音は、軽く、リズミカルで、乾いた音であったと記憶しています。

人工的な雑音のない縄文時代には、どのように響いていたのでしょうか。
これから始まる祭祀の合図、お祭りでダンスと共にリズムを刻んで…カランコロン♬。

ところで体内に残った土鈴は、どのようにして作られたのでしょうか?

土偶を粘土で作る際に「頭や手足を木の枝などで胴体と固定して」、その後火で焼き固めたと思われるものが見られます。
焼き上げると草木などは燃えてしまうので、支えとなっていたものは跡形もなくなってしまします。

この土偶も、「草木などで体内の中心部に土鈴を固定し、焼き上げると土鈴だけが残る」そんな方法で作ったのかもしれませんね。

「新しいものを作ろう!」と思った時、考え、試し、失敗し…そんな繰り返しが、日本のモノづくりの原点であるようにも思えます。


*参考資料
土偶美術館 小川忠博/原田昌幸 平凡社

©2024 のんてり
<写真&文章は著作権によって守られています>

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

いいなと思ったら応援しよう!