今日会いに行きたい!気になる土偶#085平川市郷土資料館
インパクトのある鋭い目つき。
こちらを睨んでいるようにも見えます。
『顔のようなものがついた土器』
縄文時代の終わりの頃に作られた、浅鉢に付けられた顔です。
この『顔付き土器』が出土したのは、青森県の南部。隣接する地域には、北東北で最も早い紀元前4世紀の弥生時代の稲作の跡「砂沢遺跡」があります。
遺跡名に(4)とあるように、この遺跡は5つある遺跡群の1つで、昭和初期には様々な土器や石器が出土することで知られていました。
それから約半世紀後の発掘調査により出土したのが、この『顔のようなものがついた土器』です。
よく見ると、ところどころに赤く塗られた痕が見られます。漆が塗られているのです。
漆が塗られた…ということは、神聖な場で使う大切な土器であったことを示しています。
このような「顔が付いた土器」は、各地で祭祀の際に使う土器として作られましたが、その多くは「深鉢」。いわゆる煮炊きをするような土器に顔が付けられていることが多く、このような「浅鉢」は少数派。
そもそも「浅鉢」は煮炊きには不向き、ということからも祭祀用の土器であると考えられています。
展示パネルの「底から見た写真」と「イラスト」を見ると、浅鉢の大きく広がった口縁部分に、手や脚がある何かの生き物?が付けられているようにも見えます。
北東北で最も早く稲作が伝わったと考えられる地方で、まさに稲作や鉄器が入ってこようとした頃…それは長い長い1万年以上続いた縄文時代の終わりを告げようとしていた激動の時代。
この目は、何かを訴えているのか、
それとも何かと対峙しているのか…。
そして縄文人たちは、この『顔のようなものがついた土器』を使って何を祈ったのでしょうか?
*タイトルは〝土偶〟ですが、
このようなカオがついた土器や、土製品なども紹介しています。
最後までお読みくださり有難うございました☆彡