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今日会いに行きたい!気になる土偶#099伊勢堂岱縄文館

どこかにいませんか?こんな人。
ちょっと偉そうな態度の…あの人みたい。

今から約4000年前縄文時代後期

『おどる土偶』

川沿いの斜面地にある縄文時代の捨て場(ゴミ捨て場)から発見されました。
高さは14.7㎝。
まっすぐな姿勢で胸を張り、腰に手を当て…と少々横柄な態度。
でも下半身を見てみると、一本だけになってしまった脚で踊っているようにも見えてきます。

一説には「縄文ダンス」を踊っている、と言われています。

『縄文ダンス』て、フォークダンス的な感じ⁈

手の先はかなり反り返り、その手を腰に当てる。
このようなポーズをする土偶は、北海道から中部高地(山梨・長野)の遺跡からいくつか出土しています。

それらは総じて胸部に少しの膨らみがあり、ウエストはなく寸胴、脚は短く、弱弱しく立っている…何かを表している体形&ポーズなのでしょうか。

「最近、どう?」

横から見ると、かなり印象が違ってきますね。
突き出た顔は案外と長い!

実はこの顔は本物ではなく、「仮面」をつけている姿だと考えられています。ムラの祭祀で、シャーマンが「仮面」をつけ神と交信している姿を表しているのでしょうか。

その「仮面」の表情は随分と険しいように感じられます。

「ちょっと、聞いているの?」

この土偶が出土したのは、ダム建設による調査で発見された多数の遺跡のうちの一つ。近くには幾つもの配石遺構(石を配置した施設)、約500もの土坑(墓)、一般的な住居ではない特殊な建物、多くの土器や土偶などの祭祀道具等々…が見つかりました。

周辺のムラから亡くなった人を埋葬し祭祀をおこなう、拠点的な役割を担ったムラであったようです。

そこで行われる大規模な祭祀では、シャーマンが仮面をつけ、人々に神のお告げを説いている…それは明るい展望ばかりではなかったのかもしれません。

仮面の厳しい表情から、平和な生活に黒い雲がたちこめてきた…そんな気配が感じられはしないでしょうか。

参考図書
秋田県文化財調査報告書第464集 漆下遺跡 
秋田県教育委員会

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最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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