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気になる土偶#112:国宝土偶と背比べ/仙台市博物館

寸胴で極端に長い胴を持つ土偶です。
ひょっろと頼りなさげですが、あの国宝土偶にあと0.1㎝に迫る大きさです。

今から約4000年前 縄文時代後期

全長41.4㎝と最大級の大きさの土偶です。
顔面は失われていますが、もともとは前方に突出るように付いていました。頭には結った髪が見られます。

肩からまっすぐに下がった腕は、まるで操り人形のようです。
大雑把な作りのように見えますが、手先足先には指が作られています。

臍から下はポツポツとした刺した文様があります

それにしてもあまりにも長すぎる胴です。
残っている短い左足は内側に向き、自立しようという素振りはどこにもないようです。
そして多くの土偶は女性のような体つきをしていますが、そのような要素はどこにも見らません。

人形ひとがたとしては誇る点が少ない造形に思えますが、大きさはあの国宝 中空土偶『カックウ』とほぼ同じという特徴を持っています。

カックウと同じように、神々しい集落を代表する土偶であった可能性もありそうです。 
カックウについてはコチラで👇

この伊古田遺跡からは縄文土器や石器等が多量に出土しました。
縄文土器の文様には、関東と東北北部の要素がみられることから、異なる文化が交じり合っていた地域であったと考えられそうです。

まるで脱力しているかの土偶は、どんな意図で作られたのでしょうか?


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