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今日会いに行きたい!気になる土偶#055盛岡市遺跡の学び館

は~い、大きく口を開けて、、、
まるで、
歯医者さんの椅子に座っているみたい!

あー、と口を開きながら、
同じく大きく見開いた目は、
何かに驚いているのでしょうか?
それとも…?

これは約3000~2300年前に岩手県盛岡市で作られた「土面」、土で作られた仮面の一種です。
土偶と同じように「祭祀などで使われた」と考えられています。

「土面」は主に縄文時代後期~晩期にかけて出現しました。その数は全国で約150 点程。
土偶の数は約2万点と言われるのでそれに比べて圧倒的に少なく、そのうえ破片で見つかることも多いため、これが果たして「土面」なのか、「土偶」の一部の顔なのかどうか?とはっきりとしない事も多いようです。

この「土面」が出土した盛岡市では、祭祀や呪術時に用いられたと考えられる土器や道具類が多く出土しています。

細長い棒状の「斧状土製品」は神職が持つしゃくのようにも見えますね。貝の様なもの、他の地域でも見られる三角形をしたナニカ、等々…、いろいろな形をした道具が揃っています。

そのどれにも小さな穴が空いている…何故でしょうか?

そのような中で誕生したこの「土面」、
何度も見ていると、
ずっと開いたままの口が辛そう…と心配になります。

さらによく見ると、
眉と鼻の痕跡のようなものがあります。
「繋がった眉」に「大きめの鼻」があったのでしょうか。

縄文時代晩期 / 岩手県宇登うど1遺跡
盛岡市遺跡の学び館

全国的にも数少ない「土面」ですが、見た目の特徴を分類してみると、目・口に穴が開いているか、いないかで、おおよそ3つのタイプに分けられるようです。
1.  目と口、両方に穴が開いているもの。
今日の土面
のようになタイプです。

両眼の上には紐を通すような穴もあるので、
実際に顔に付けられていたかもしれませんね。

この長野県の土面も同じタイプです。
随分と小さな口ですが、穴は貫通しているようです。

東京国立博物館

その2.  全く穴が開いていないもの。
これを顔につけたら、何も見えないし息もできない…。

この土面は顔につけるにはかなり小さく、紐を通す穴があるのか?もよくわかりません。
(本当に土面かしら?と少々疑いの目で見ています。)

岩手県立博物館

その3.  眼だけ穴が開いているもの。
少し前に登場した「鼻曲り土面」」がそのタイプです。

その他の特徴は…サンプルとなる土面が少なく、それゆえ研究もあまりされていないようです。

果たして「土面」とは何ぞや?と想像の世界にゆだねることになります。

それはそうと、こうやって見てみると、
「鼻曲り土面」は、なんともアーティスティックな造形!!
(前出の3つの土面は結構真面目に作られた!ような…)

当時の人々が、この鼻と眼だけで表現した土面を見た時、どんなに驚いたことか⁉
今と同じように、若者は熱狂し、一部の「土面はこうあるべき」と考える人々は眉をひそめていた…かもしれませんね。

分からないことが多い土面ですが、
縄文時代の人々の「精神世界の一端を表している」貴重な遺物であるには変わりないようです。

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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