シンプル手役講座【1翻役編】
シンプル手役講座【1翻役編】
さて、前回の記事ではシンプルに打て、という話をした。
https://note.com/123jiyuukunn/n/nc93cfb35fbd3
このシンプルというのは、天鳳あるいは雀魂におけるラス回避が重要、という大前提に寄り添うもの、つまり"守備意識"というものを基盤としたものである。
シンプルに打つことの利点は【優先順位をハッキリさせる】ことにある。
みんなは、暗い部屋では明かりを点けるはずだ。
(あっ…引きこもりの方はつけないのかもしれない…)
その基本的な理由は、物を見えやすいようにするためである。
シンプルに打つ、というのはこの行為に似ている。
暗い部屋を歩いているとほんの些細なものにも躓いて、行きたい場所に行くのにいちいち時間がかかるかもしれない。
しかし、明るい部屋ではそんなものはひょいと避けて気にもしないだろう。
麻雀におけるこの些細なものこそ"レアケース"だ。
レアケースを意識的に見ないことにして、自分が見るべきものに明かりを照らしてハッキリ見据える。
これが【シンプル打法】だ。
さて、では本題である"手役"の話をしていこう。
何故手役の話をするかと言うと
麻雀の手組みに関してシンプルな思考をする、と言っても
「どういった時にどの手役を見るべきか、あるいは見ないべきか」
が定まっていなければ
【シンプルに打ちようがない】
からだ。
シンプル打法において、手役を序盤から見定める能力というのは必要不可欠だ。
実際、守備を強く意識することの大切さ、というのを前回の記事では書いた訳だが
【守備を強く意識する(≒字牌を切らない)ということは、数牌から切るものを選ぶことになり、それはつまり見るべき手役を間違えるとずっと和了れない、という仕組みになっている】訳である。
実際、前回書いた記事通りの意識配分で麻雀を打とうとすると、「中々行ける手牌なんて来ないのでは?」と疑問を持った読者も多いことであろう。
この手役編では、その疑問を一つずつ解決していく。
さて、今回は1翻役(喰い下がり1翻を除く)について具体的な牌姿を交えながら一つずつ話していこうと思う。
どうでも良い手役はきっと短めの話になるだろう。
❶立直
目的役度(目指すべきである役):10
結果役度(目指すべきでない役):0
麻雀において最強の手役である。
この記事では、手役ごとに「目的役度」と「結果役度」という二つの指標を使って、考え方をシンプルにしていく。
目的役度が10なので、立直は目指すべき役だ。
「結果的に立直になってた!」
というのはあり得ないということである。
立直を見れるべき手は、必ず見るべき、という訳だ。
さて、立直という手役について書きたいことはいくつかあるのだが、立直については今度このテーマ一本で記事を作ろうと思っているので、大切なことを一言でまとめて伝える。
【立直は打て】
端的で分かりやすい。
これ以上の言葉は必要ない。立直は打つべきなのだ。
では何切るに入る。
①
何を切りますか?
…
…
…
…
…
当然、中切りだ。
立直というテーマで1本目の牌姿だから、中切りやろ!
と邪推したクレバーな読者もいるかもしれない。
この立直という手役、何と相性が良いかと言うと
【ドラ1以上で他の手役が見れない牌姿】
これだ。
これは全部立直手順だ。
これで立直の9割の説明は終わり。
じゃあ次。
②
何を切りますか?
…
…
…
…
…
"私は"4pを切る。
ちなみに4pを切ると
r5p1p引きで裏目の形になる。
中を切った場合にこれらの牌を引くと、次に出ていく牌が4pにならないためだ。
1枚目では中を切ってこれらが裏目にならない選択をしたにも関わらず、こちらでは4pを切る理由は、【現状ドラ0の手で、将来的なドラ引きを期待せずに守備意識を持つ】ためである。
また、ドラが無い手というのはドラを引かずに聴牌した場合のリターンが少ないので
【中を引いた場合の局流しのメリット】が相対的に高くなっている。
ちなみにこの手はブクブクにしても端牌でなんとか降りられそうなのと、次に有効牌を引いた場合は中が出ていく形になることがほとんどなので中切りが普通である。
しかし私はこういった手牌でも守備に対するバランスを崩さないために【意識的に】4pを切る。
これがシンプル打法の重要なポイントで
【微差で正しく攻めるくらいなら、少し間違えてでも最悪を避けろ】
という考えなのである。
ちなみにこれはMリーグのようなトップ取り麻雀であれば考え方が真逆になると思ってくれれば良い。
トップ取り麻雀での意識は
【微差で正しく守るくらいなら、少し間違えてでも攻めてみろ】
となる訳だ。
じゃあ次。
③
④
⑤
それぞれ何を切りますか?
考えてみよう。
…
…
…
…
…
それぞれ
③
1s切り
④
1s切り
⑤
字牌切り
となる。
先程【ドラ1以上で他の手役が見れない牌姿】は立直と相性が良い、という話をした。
じゃあなんで③と④が1s切りになるんだよ!俺キレそうだ!そんな声が聞こえる。
それは上の相性が【先制立直を打てる場合】の話だからだ。
更に付け加えると
【好形立直を目指せるならば、先制は絶対条件ではない】ということも言える。
③と④の牌姿を見てみよう。
この手の愚形率は高い。しかし、先制立直率はさほど高くない。
この先制立直率がどれくらいか、というのはある程度経験を積んでいけばそのうち分かるようになるので、そこは打数の経験値を積んでいこう。
最終形が愚形になる、先制立直が打てるかどうか分からない牌姿で字牌を残す理由は、"守備力を落としたくないから"だ。
難しい話ではない。
1回目の記事でも何回も言った。
麻雀は【行くか行かないか】。
③,④はラス回避麻雀において【行かない手】なのだ。
しかし、ここでの"行かない"は愚直な立直手順を踏まないという意味であって【ツモ次第では普通に立直手順に切り替えていくべき】だ。
⑤
一方、この手牌は字牌切りとなる。
この手は③④と違い、1pや9mがヘッドではなく
なんだか降りられそうにない手牌となっている。
なのに、何故この手は字牌を切るのか。
この手は【充分先制愚形立直を打てる】という判断をしているからだ。
この手は、仮に1sを切っていっても、
"字牌を抱え込んで無理矢理守備的に打つ(≒和了放棄気味)"か"タンヤオ決め打ちで攻守のバランスを取る"となる訳だが
前者の場合、そもそも何枚ツモれるか分からない字牌に期待して、立直ツモ赤裏の満貫の上振れを放棄することが罪深い。
つまり、降り切れるかどうかが不完全なのに、降り気味が良いと思うのは間違いだということだ。
後者の場合、2000点の手で愚形聴牌を取ってゼンツせざるを得ない未来が高確率で待ち受けている。
【鳴いて2000点の手は、どう上振れても8000点にならない】。
この二つともが、立直ドラ1の速度を落としてまで考えるに値しないという理由で字牌を切る根拠である。
じゃあ次。
⑥
⑦
何を切りますか?
…
…
…
…
…
⑥
1s切り
⑦
字牌切り
となる。
今回はドラが1枚増えた。
みなさんはドラが2枚ある手をどう評価していますか?
私はこう考える。
【和了しか考えなくて良い】。
中盤に入るにつれて、自手の形が悪ければ守備を考え始めるが、ドラが2枚ある手は必ず和了を見るべきだ。
⑦に関してはほとんどの人が字牌を切ると思うのでいいと思う。
問題なのは、⑥は3sが無いだけなのに何故字牌を残すの?
ということだと思う。
これはシンプルだ。
23s引きより字牌引きの方が速いから、だ。
みなさんは、【有効ツモ回数】というものを考えたことがあるだろうか。
初めて聞いた言葉だと思う。今私が作った言葉なので当たり前だ。
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