18時19分発の電車で ただぼーっと流れる景色を見る 写真を撮るみたいに切り取られる瞬間 小学生の額に輝く汗を 間近で見ているような感覚 西日が時間を溶かしていった 尊い日々を刹那に駆け抜けるその電車に 永遠をみていた
幸せかそうでないかなどはハッキリさせなくてよい
金払って寝た映画
言わないでいてくれた優しさが白い息になる
薬の空シートを見てはじめて生きた実感
スーパーで小さくなった母の背中を探す
秋の寂しさをかじってみる
雨音で傷を癒す
眠れない夜は星を耕す
愛を纏った人間になりたいです
背伸びして頼んだ酸っぱいコーヒー
雲ひとつないと言いかけて何食わぬ顔で浮かんでいる
金木犀の甘さに胃もたれ
食堂のお冷に飛び込んで優雅に泳ぐ
好きな人の匂いを詰めれるだけ胸に詰める
救急車のサイレンが遠くで響いて寒い