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inagakijunya
コーンスープ
「またね」別れを告げる時に貴方はそう言った
私は「バイバイ」と返した
いつもと同じ光景なのに何故か切なく
走り去る車に手を振る
暗闇の中で光る自動販売機は私を呼んでいるかのように思えてあまり好きでないコーンスープを思わず買ってしまった
"カチャ"
缶を空けると同時に心に穴が空いたような気がした
いつからだろう
"会いたい"が言いづらくなり"大丈夫"が増え
"大好き"が消え去り"同情"が残った
あんなに大好きだった貴方に気持ちが薄れていくことを信じたくない
ふとした瞬間に送られたLINEでの3文字は偽りの言葉のようにしか見えず何も感じなかった
むしろその言葉を並べられる度に今までの幸せな思い出が蘇り"罪悪感"で溢れ
必死に縋り付く貴方を見ていると同情してしまいそうになるのでやめて欲しいとさえ思った
そう思いながら飲み切ったコーンスープのコーンは何粒も底に溜まっていて取ろうとしたが自分の無力さに気付き諦めた
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私は貴方に久々誘われせっせと支度の準備をした
今日で終わりにしようと
貴方は私と会うとせっせと愛を育んだ
そこには愛じゃなくて情しかないのに
「またね」また貴方はそう言った