気に入らない日本語
私にはどうしてもしっくりこない、気に入らない日本語がある。
それは『婚姻関係にある男女』を指す単語である。
具体的にいうと、『妻』と『夫』、『嫁』と『旦那』、『奥さん』と『主人』とか。
まず『妻』と『夫』については、『夫』という単語はまだフラットに理解できるのだが、『妻』という単語がしっくりこない。
というのも、『妻』の語源はおそらく『連れ身』的なところから来ている。
なんだか『夫』と『妻』という単語が対等なように思えない。
メインである『夫』の連れとしての『妻』みたいな感覚。
あとは刺身の下にある大根のことをツマとか呼ぶじゃないですか。
それもやはり、付け合わせ的な意味で使われている。
だから納得できない。
では『嫁』と『旦那』という言葉はどうか。
まず『嫁』という漢字自体、『女+家』である。
私は嫁という単語の正しい語源を知らないが、想像するに夫の家に入る女性だから、とか、家の仕事をしていく女性だから、とかではないかと思う。
今が昭和であればしっくりくる言葉なのだが、令和において全然しっくりこない。
逆に『旦那』という言葉は、配偶者という意味ではなく、アニキ!的な意味で『ダンナ』が使われる場面もある。
それを考えると、単に婚姻関係の男性を指す言葉ではなく、敬意あるいは主従関係を含んだ言葉のように思えるのである。
そして『奥さん』と『主人』について。
これは少し調べましたが、昔は婚姻関係を結んだ女性は家の奥にいたそうです。
つまり先ほどの『嫁』と同じようなニュアンスで、家事をこなして家の奥の方で家庭を支える人みたいな意味が込められているように感じる。
『主人』という言葉は当然、メイドカフェで『ご主人様❣️』と使われているのを見れば分かる通り、主従関係を明らかに含む言葉である。
このように、今の日本でおそらく『婚姻関係の男女』を指す言葉としてメインで用いられる3つともが、昔の名残ではあるが、女は一歩後ろ、男が主、みたいなニュアンスを感じさせる言葉なのである。
それがどうしても私としては気に入らない。
今回あげた三つ以外にも例えば『家内』『カミさん』『女房』とかあるけど、いずれも同様に女性側が一歩引いた(あるいは男性側が女性側をへりくだらせた?)感じがある。
でも意外とこれに違和感を感じている人が少ないのか、それとも感じてはいるが変えられないのか、これらの呼び方は未だ広く浸透していて、変わる気配はない。
自分自身が『妻の〇〇です』と(へり下り気味に)自己紹介するのはまだいいけど、他人の配偶者を『〇〇さんの奥さんは〜』とか呼んだり、自分の配偶者が『うちの嫁が〜』とか言ったらなんかムカつくだろう。
この『婚姻関係にある男女』をフラットに、対になる言葉として、表現するものはないのかと日々思っている。
そこで最近台頭してきた言葉として『パートナー』がある。
これは男女どちらに対しても『パートナー』を使うので当たり前にフラットではあるのだが、現状として同性愛カップルに対して使われることがほとんどで、『私のパートナーは〜』とか喋ったりしたら、実際のところ、あの子って同性同士で付き合ってるのかな?と誤解されそうである。
なのでやはり新たに私のこの論争に決着をつけてくれる単語が必要だと思っている。
例えばコレ!と言いたいところだが、何も案が出てこないのが惜しいところ。。。