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またね パフィ

これは、年末のお話。夫が朝早く仕事に行くのでお弁当の準備をしようとキッチンへ行くとメーテルがすでに起きていた。16歳の老犬パフィを庭へ行かせていつもなら用を足したらワン!と吠えて知らせるのに一向に声がしない。もうあまり目も見えず耳も聞こえないようでかなり体が弱っているので薬やサプリを飲ませたりしている。

義母メーテルがいくら呼んでも戻ってくる気配もないし、庭を見ても姿がない。イヤな予感がして庭中を探し回ると小さな木の下にスッポリ体を寄せて目を閉じている。足は短いけど体は中型犬だったのに痩せてしまって木の下に小さく丸く収まっていた。

思わず涙が溢れて名前を呼ぶが反応しない。まだ早朝で寒かったのでバスタオルで包んで木の下からすくい上げるように抱きかかえて何度かゆすってみる。こんな庭の隅っこで亡くなるなんて悲しすぎると混乱して涙が止まらない。メーテルは、隣でオロオロしているだけ。数ヶ月前に義姉からあまり状態が良くない事は聞いていたがやはりお別れの覚悟が私は出来ていなかった。何度かゆすっていたらふっと前足が動いた。うっすらと目も開けた。

とりあえず家の中に入れてメーテルに体を拭いてとお願いする。義姉は、自分の長年飼っていた犬が病気で苦しみ出した時に獣医さんに連れて行ってお別れした。義母は、その事を認めないと言う。私が仲良くしていた白い老犬も1ヶ月苦しんで亡くなった。

そんな事があってからは、体にできた腫瘍のせいか時折痛みを訴えるようになった。あまりにも痛々しくて義母にどうしてこれ以上苦しめるのか。もう休ませてあげてと私なりに言葉を選んで伝えるがガンとして聞いてくれない。義姉もすでに義母と話したがまったく理解できないと怒っていた。

そして2025年を迎えてすぐに老犬は、我が家で亡くなった。お利口ビーグルとは、最後まで仲良くなれなかったけれど他の犬は、嫌いでも人懐っこくて2回脱走してもちゃんと保護されて帰ってきたラッキーな子。今頃、天国で元気に走り回っているといいなあ。

メーテルとの同居に関しては、私より先輩。ここ数年は、お部屋も同じでお疲れ様でした。

何となく気配を察して元気のないビーグルを公園に連れ出す。私は、夫のパーカーがあまりにも派手すぎて二度見した。

いつの間にかスヌーピー大好きおじさんになっている夫。

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