『映画ミッションとUaktiのAguas Da Amazonia』

キリスト教イエズス会の実話布教ドラマをガチで扱った名画「ミッション」をひさびさに観た。
中学か高校以来かな。
オイラはキリスト教徒ではないんだけども、高校がキリスト教系の学校だったので、宗教のお勉強の時間ということで「炎のランナー」とか「ブラザーサンシスタームーン」とかこの「ミッション」とかを授業という枠で観たのだった。
宗教との関わり云々というよりも、今になってみると「炎のランナー」で安息日のことを知ったり、「ブラザーサンシスタームーン」でアッシジの聖フランチェスコが「人間は元々何にも所有しなくてい~んだよ!そのままでい~んだよ!」と言ってホントにそのまま素っ裸で街に出てったりとか、日本でも長崎であったイエズス会の悲劇を「ミッション」で知ったりなど歴史的に知っておいた方がいいことを映画というヴィヴィッドな体験で知ることができたのはよかったと思う。
この「ミッション」18世紀にあったイエズス会の南米での布教の実話。
場所は南米のパラナ川上流域、今のパラグアイあたりのグアラニー族の村。実際はそうかわからないけど映画ではイグアスの滝の上の方。まさに未開のジャングルエリアである。映画ではなんとイグアスの滝をロッククライミングで登って行くのだが、その未開のジャングルの村では木とか葉っぱでかなり立派な教会ができあがっている。映画では最初からわりと教会ができているんだけども、実際は1600年ぐらいから150年ぐらいかけて布教したらしい。
そしてこの村が最終的にはスペインとポルトガルの権力と利益のために壊滅させられる悲劇のストーリー。
その壊滅も映画では一瞬だが、実際の史実としては数年に渡る戦いだったらしい。
ガブリエル神父とメンドーサの2人主人公という感じなんだけど、そのメンドーサがロバート・デ・ニーロ。チョイ役の神父さんも「レ・ミゼラブル」の主人公リーアム・ニーソン、音楽がエンリオ・モリコーネだったりと豪華。
とにかくイグアスの滝をはじめ全編現地ロケなので迫力が凄いし、映像として美しい。
イタリアのジャズピアニストエンリコ・ピエラヌンツィもモリコーネのスイートなメロディーによるトリオアルバムを発表しているが、ニューシネマパラダイスとかのそういうメロディーだけでなく、南米っぽい笛とキリスト教系の合唱が対位法になってたりして、モリコーネマジすげぇ実力だ!とうならせられるぐらい音楽もすごい。
基本的には殉教ドラマなので、ラスト近辺ひたすら悲しい感じで困ってしまうのであるが、ロバート・デ・ニーロが「七人の侍」の三船敏郎的に立ち向かい、ふんばって戦うけど倒れたり、主人公ガブリエル神父などは最初から殉教するつもりなのでずっと落ち着いて表情を全く変えずにミサをした後つっこんでってあっさり撃たれたりとか日本人の忠臣蔵DNA的にもウルウル来てしまう。
また権力側のスペインとポルトガルの現地お役人がニヤニヤしながら奴隷売買したり、村を攻めるよう枢機卿に促すところとか信仰や布教の現場とは関係なく、ローマ教会がヨーロッパの政治事情にあわせて動くところとかかなりリアルでゾゾゾとしたりもする。
そもそもジャングルに暮らしていたグアラニー族に布教すること自体是か非かって考え始めるとまた別の話しになって長くなってしまうけれども、感動的なエピソードや圧倒的な映像美などやはりズドンとくるすごい映画である。
そもそもストーリーが忘れてたんだけども、ジャングルの景色がすごかったなぁよかったなぁと前観た時思ったので今回もう一回見ようと思ったわけだがストーリーもやはりすごくてズドンときてしまったというわけである。
あとロバート・デ・ニーロが出てきちゃうともうそれだけで作品全部が説得力を持って説得されちゃう感じで、いやはやなんともこのデ・ニーロさんはホントすごいなと思う。

話し変わってオイラはそういうアマゾンっぽい景色とか雰囲気がなんだかとっても好きなのである。
実際は違うんじゃない?、とは思いつつもあの原住民が吹いてそうなサンポーニャみたいな木の筒の音とアマゾン川とジャングルの画像を観るとなぜか妙に癒されてしまう。
それでこれまたホントの原住民の音楽とは違うんだけど、イメージとしてのアマゾンをとってもよく表現していて好きなのが、フィリップ・グラス作曲でブラジルの自作楽器集団Uaktiが演奏する「Aguas Da Amazonia」だ。
Uaktiはブラジルの自作楽器集団で、ガラス板のマリンバ、自作フルートなどで色々ユニークな音楽を演奏している。
オイラはこの「Aguas Da Amazonia」以外あんまり知らないので、アマゾンっぽいイメージのグループである。
ミナス州出身なので、ヴァーチャルでフュージョンな音楽とはいえやはりアマゾンなソウルみたいなものは感じてしまう。
このyoutube画像でもガラス板のマリンバや3本同時演奏フルートなどなんとなく悠大なアマゾン感とフィリップ・グラス特有のトリップ感は味わえる。

フィリップ・グラス作曲 Uakti演奏
Tiquie River Japura River
http://www.youtube.com/watch?v=MPYgs_c-3nQ

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