有名すぎる古い西部劇を3つ連チャンで観た。
有名すぎる古い西部劇を3つ連チャンで観た。
やはり映画は、ノルマンディー上陸もの、禁酒法時代もの、田舎の風景もの等テーマごとにまとめて観ると色々と勉強になるからよい。
好きな俳優の作品をつぶしていくというのもコンプリート感はあるが、拡散してしまうので、あまり映画の勉強になるという感じではない。
というわけで「シェーン」「赤い河」「駅馬車」と観たのだが、けっこうそれぞれ全然違う。
マカロニ・ウェスタンの作品どうしはけっこう似てるなぁという印象だったので、やはり初期の歴史的作品はそれぞれひと味違う。
「シェーン」は通りすがりの風来坊がたまたま滞在した家族を「命がけ」で助ける、というシェーンさんいくらなんでもいい人すぎるでしょ!という映画である。とにかく夜のシーンの雲と空が最高である。
昔はほんとの夜だと撮影できなかったそうで、昼撮影したものを「つぶし」という技法で暗くして夜ですよ、ということにしていたらしい。
でも全然明るくて空に雲が出ていて、でも夜で、これはいったい何時なんだ?というSF感に感動する。
映画の最初の方で「夕ご飯を食べていきませんか?」とスターレット家族から誘われるシーンがどう見ても正午ぐらいの日差しで、それもとても印象的で感動した。
あと町に行く、とか町に出る、と言って町に行くのだが、それが雑貨屋兼サルーンとホテル?等の掘っ立て小屋数軒というのがこれまたSF的でグッとくる。
人情にあふれた映画で、かっこいい流れ者が助ける、という展開という意味では江戸時代の人情ものとかにも似ていると思う。
「赤い河」
これは鉄道が走っていて牛の取り引きがおこなわれている場所まで命がけで何千頭もの牛を売りに行く話しである。この牛の輸送は当時ロングドライヴ(キャトルドライヴ)と呼ばれ、カウボーイというのはもともとこの牛の輸送を行う人のことを指していたのである。
この映画は心理的ドラマが深くて、西部劇?というより群像劇とかちょっとした大河ドラマという感じだ。西部劇的なシーンはあまり無いのだが、とにかく雄大な自然と牛の大移動の映像がすごい。それだけでもすごい映画である。
牛という巨大な財産をめぐっての師弟間の確執と和解。これは牛のところを色々と置き換えるとウォールストリートものとかでも全然いけそうな感じだなと思った。
「駅馬車」
駅馬車にのりあわせた人たちの人間模様が最重要な映画で、西部劇的シーンがほとんどない映画である。このまま西部劇的シーンがないのかなと思ったら1対1ではなく、馬車対インディアンの銃撃戦という西部劇的シーンが、最後の方で集中的にあらわれる、という映画である。
ただこれを観て、色々な映画の、駅馬車内での初対面どうしの会話、というシチュエーションがこの映画へのコラージュ&オマージュになっている、ということを知れたのはうれしかった。
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