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現の声

雨の昼間は優しくなりたいと思う。
目覚め切れていない瞼をきつく閉じて、
戻らない日常に独り言を重ねた。

「会いたい」

このまま降り続けばいいと願う。
太陽を別つ雲が遥か遠く溶けて
見えない太陽の陽射しに遠雷が聞こえる。

「会いたい」

このまま優しく、目覚める事がなければ。
私だけ世界から忘れてくれたら。

会いたい。
私の呟きかあなたの叫びか。

雨の降る世界からは
区別に迷う。

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