歪んだのは私
何かある様な東京の夜。
何もない事はすぐに分かった。
期待していた楽しい事は
私には無縁だった。
風が香るわけではない。
季節が分かるはずもない。
匂いも風景も
時間が散らばって落ちているだけだから。
目眩の中で覚める夜。
暖かい冬に桜に登る猿が蝉に怯えていた。
初めて訪れた東京の22時。
手招きする私の手を握る私。
初めて食べる夜中の朝食。
デカくて固いパンをコーヒーで飲み込んだ。
美味しいと笑う、
私を見て喜ぶ。
これが東京だ。
ひたちなかの海を見ながら、
いつか話すだろう。
東京は楽しかったと。
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