12・いざ、入院へ
6月10日、入院。
前日は笑っちゃうほど眠れなかった。
だろうな、とは思ってたけど笑
前日の夜、息子に「健闘を祈る」と言われたっけ。
ありがとうございます、お母さん頑張ります笑
息子にはぬいぐるみを借りた。
もう19にもなるんですけどね、ふわふわ手触りのいいものが小さい頃から大好きなんですよ。
で、猫のぬいぐるみをこの中から1つ。
病院へ着くとまずは、コロナ対策でCT。
当然ではあるが、これがクリアにならなければ入院できない。
コロナ感染防止のため、お見舞いは禁止だし病院への付き添いも1人と制限されている。
1人で、キャリーバッグ引っ張って、病院内を回る。
今日は気合い入れるためにこんな服で来たけど。
病院で私だけ浮いてないかな(今更)
しかもショッキングピンクのキャリーバッグって、もう何しに来たの感満載すぎる(泣)
妹に仕事休んでまで付き添ってもらうのは申し訳なかったから1人で来たけど、あっちこっち移動して大変だったし待ち時間もあったから、やっぱりお願いすればよかったかな、とちょっと後悔。
CT→入院受付→タオルなどのレンタル品手続き
午前中はこれだけでほとんど終わってしまった。
さあ、やっと病室だ!!
エレベーターで9階へ。
面会禁止なので9階のエレベーターホールからチャイムを鳴らし開けてもらい、病室へ。
部屋は明るくて眺めがいい。
ああ、もうこれだけで頑張れる気がするよ。
病室の説明をしてくれた方が
「景色がいいので色々見て回るといいですよ」と教えてくれた。
荷物を整理しているところへ初めての食事。
美味しそう!
病院食って最近はちゃんと温かいし、なかなか美味しいらしい。
朝はほとんど食べられなかったのでお腹空いてるんだ。
さて、ゆっくり食べようか、と思っていたら病室の説明やら血圧関係でお世話になった循環器の先生のお話やらで食べ損なう。
あああ、お腹空いた。。。
食事は待っていてくれたみたいだけど、なんかもう食べる気なくなっちゃったから諦めた。
午後、麻酔科医の説明を聞きに別室へ。
どっくん(元関ジャニ∞の錦戸くん)似の担当医が淡々と説明。
イケメンだなあ、と思っていたら
「明日は担当僕じゃないんで」と言われたんだけど、心の中を読まれたのかしら(怖)
部屋に戻ると同室の方が入り口でお話ししてた。
ご挨拶すると、1人は明日退院、1人はこれから手術という。
この9階フロアは乳がん患者しかいない。
同室のお2人とも明るくて元気で、私はそれだけで勇気が湧いてきた。
がんばれ、私!!
その後、センチネルリンパ節生検のための撮影。
センチネルリンパ節とは、がん細胞がリンパに乗る前の入り口のようなもので脇の下にある。
そこに転移がなければその先にもいっていないと判断される。
転移があれば手術中にリンパを切除。
そのセンチネルリンパ節というのは、なかなか見つけるのが大変らしい。
なので前日に薬剤を投与して目印をつけ、手術中にそこをめがけて検査するのだ。
明日手術予定の5人(5人も!!)と共に、撮影準備のため地下へ。
私は3番目。
一番先に名前を呼ばれた方が出てきた。
「すっごく痛いですよ」
その一言にその場の全員が悲鳴をあげた。
「私、これ2回目なんですけど、めちゃくちゃ痛いです」
ま、まじか。。。
二回目って、再発したのかな。
二番目の人が出てきた。
みんな不安そうな顔で見つめる。
「大丈夫です、そんなに痛くないです!」
おおお、と私含め残り3名から安堵の声がもれる笑
「いや、痛いんですけど、インフルエンザみたいな感じ、じわじわくるっていうか。それに痛いって聞いていたから覚悟できたのかも」
なるほど。
先人たちに拍手!!
いよいよ私の番。
注射器で薬剤を注入。
ああ、なるほど。確かに痛い。痛いけど我慢できるレベル。1分ほどそこを揉まれ、終了。
そして私も先人たちよろしく「大丈夫でした!」とVサインを残り2名に送った。
1時間後、撮影のため再度地下へ。
CTみたいな感じ?
待ち時間に隣に座った方としばしおしゃべり。
「母がね、乳がん手術してるんですけど、今めちゃめちゃ元気です」
そういうのって、本当に安心するし元気がでる。
彼女は全摘で、同時に再建もするとのことで、朝一で手術、夕方までかかるという。
とても明るく元気な人。
乳がん患者はみんなとても元気だ。
言われなければ病気だなんてわからない人ばかり。
私もよくタクシーの運転手さんに「え?患者さんなんですか?お元気ですね!」と言われる。
みんな明日、頑張ろうね。
夕方は暇なので院内を散歩。中庭が綺麗だった。
夕飯後にシャワー、9時以降は飲食禁止。
脱水防止のためOS1とアルジネードウォーターという紙パックの飲み物を渡され朝までに飲む。
OS1はご存知の通りまずいけど、アルジネードウォーターはフルーティで飲みやすかった。
昨日ほとんど寝てないけど、今日も寝られないだろうな。
まあ、明日麻酔でぐっすり寝るからいいか。
ふと見ると窓の外に大きくて綺麗なお月様が見えた。
「無事終わりますように」
何度も何度もしてきたお願い事。
ここはいい病院だし、先生も看護師さんもみんないい人だけど、もうここに来ることがありませんように。