愛国心
皆さんは自分の国を愛していますか?
せっかく生まれた国なので愛したいと思いながらも、
私は良い部分も悪い部分も両方感じるので、何か嫌なことがあると平気でその瞬間嫌いになったりします。笑
でも何があってもブレずに誇りに思うのは日本の美しい文化に触れた瞬間。
約5年前に父がそれはそれは素敵なフランス人女性と再婚しました。彼女は日本に20年以上住んでおり、文化やアートに詳しい彼女と話していると自分が日本について無知すぎることに羞恥心を覚えます。
日本史の授業中「過去とか興味ないわ〜」とか言って爆睡、もしくは友人と喋っていた学生時代の自分を蹴り飛ばしたいです。
もっと日本の文化を体感して学ぶべきだ!と強く思い、京都へ行って来ました。
初の京都一人旅は友人や家族と行くときとは違い、時間をかけながら深く理解し納得の行くまで目の前の日本の文化と向き合う良い時間になりました。
正直パンフレットもお寺での説明も難しい漢字や知らない言葉が盛り盛りなので調べながら過ごすと一ヶ所での滞在時間がとても長くなるのでそういう旅は1人がベストですね(わいわい京都旅もいいんですけど)
たくさんインプットできたので頭を整理しながらアウトプットしよう!
そして日本の文化の価値、我が国の素晴らしき文化を少しでも伝えよう!
有難いことに自分の好きな事や感動する出会いは沢山あるのになんせアウトプットが苦手、、、というコンプレックスの克服も兼ねて、
そんな想いを抱きnoteを始めた次第です。
旅中に2度訪れた場所があります。
1回では物足らなくなり、おかわりしました。
借景の美しさで有名な枯山水庭園が名勝となっている
「圓通寺」です。
京都市左京区岩倉幡枝町389
1678年 創建
後水尾天皇が徳川幕府との対立で負けたことをきっかけに文化人として生きることを決め幡枝離宮を創建。それが後に「圓通寺」となります。
後水尾天皇の文化的な才能と美意識、センスは類稀なるものでした。
借景とは「景色を借りる」と書くように庭園の背景にある景色自体を庭園の一部として取り入れる技法。この庭園は背景に比叡山があることで完成しており計算され作られています。
余談ですけど、彼の女性関係は派手だったそうで禁中法度を無視して宮中に遊女を招き入れたり遊郭までお忍びでお出かけしていたらしく、笑
さらに中宮以外の女性に30人以上の子を産ませ、58歳の時点でも現役バリバリで後の霊元天皇を産ませていたそうで。アーティスティックな男性って確かにとても魅力的だからね、、、それも芸の肥やしなのでしょうか。今の時代だったらとんでもないですが。
でも感謝です。この素晴らしき庭園を世に残してくださったことは事実なので。
この下の写真の庭石達は、彼が大小約40個を自らの手で配置したそう。
彼は最も比叡山を眺めるのに優れた土地を12年間探し求め続け、やっと見つけたこの地に山荘を設けたと言われています。
私がなぜ二度も足を運びたくなったのか、、、
人間の生活と芸術のあるべき理想の姿がここにあったからです。
残念ながら、自然と人間の創作物は相反するものです。
ただその2つの要素が美しく結合した芸術は、人を癒し、パワーを与え、心を浄化させてくれます。人間の暮らしの方もそうあるべきだと思う。自然に敬意を払い、共存していくべき。
しかしこの借景は高層マンションの建設などで急速に進む都市開発により壊されてしまう危機に瀕していた事実があります。そのため京都市は眺望条例を制定しこのお寺ももちろん対象となり、周辺地域は高さや屋根の形式等も制限されています。人は時に美しく素晴らしい芸術を創るけど、それを壊すのも人なんですね。
残念。。。
ここは本当に価値があるもの、美しいもの、守るべきもの、創っていくべきものは何であるかを教えてくれる強いパワーを持つ場所です。
平気で2〜3時間はいれる。
私は美しい芸術と生命力を溢れる自然に出会うと気持ちが明るくなります。
誰しも人間に失望する瞬間ってあると思います。
(逆に私だって誰かを失望させてしまっていることもあるでしょう)
でも目の前にある素晴らしい芸術を作ったのは人間なのは事実で、
こんなにも多様な感情があり且つ理性があり、手先が器用な生物は人間だけですし、
その度に、あー人間も悪くないな。やはり魅力ある愛すべき生物だなと再確認できるわけです。
さらに自然は強い生命力を見せつけてくれるので「偉いね、私も強く生きるね」とその目の前で起きている事実にパワーを貰えます。
「人が創出した芸術×自然」である「借景」は私にとって最強のパワーの源であり原点、自分が目指す理想の世界が詰まっています。
あー日本人って、、、日本って狭い、、、視野狭い、、、多様性認めようよ、、、人の目気にしすぎでしょ、、、人と比べすぎ、、、固定概念、、、など感じてしまう小さなストレス(これもうっかり国民性のせいにしているけど、世界中どこに行っても抱く感情なのだとは思います。割合多い少ないはあるんでしょうけど・・・感情を左右される時点で自分もそういう部分がまだあるわけで修行が足りない)
ただそんな未熟な私の気持ちを一気に取っ払い、
愛国心をとり戻させてくれる「圓通寺」
あー去るのが名残惜しい。
そんな気持ちで重い腰をあげた私の視界に最後の出口でこちら。
さらに帰りたくなくなりました。ぜひ皆さんも足を運んでみてください。