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愛されていたとやっと気づいた

2012年の4月に大学進学を機に長野の実家を出てから、2022年の12月末まで東京で過ごしていた。一人っ子で実家には両親がふたりで住んでいる。

最初は大学を卒業したら長野に戻って就職するつもりだったけど、なんだかんだ東京が好きになって、そのまま就職して2022年いっぱいまで過ごしていた。両親も自分自身もこのまま東京で過ごしていくんだろうなと思ったが、人生の色々なタイミングが重なり、2023年から実家に戻ることにした。両親からしたら、帰ってくると思わなかった息子と暮らせるということで、とても嬉しそうにしてくれた。

実家で1年と少し暮らした後、パートナーとの結婚を決めたこともあり、改めて東京で数ヶ月、マンスリーを借りて暮らしてみて、東京に戻ることを決めた。7月にパートナーを実家の両親に紹介し、7-8月を実家で過ごして、8月末から新しい家に引っ越す。その直前にこのnoteを書いている。

父親とは一般的に見て仲がいい方だと思うが、大好きな父親だけど、受け入れられない面もすごく大きく、モヤモヤが今も残っている。実家に戻った2023年も何度か衝突することがあった。一方ですごく世話を焼いてくれて、実家に帰って車を買う時も助けてもらった、今でも頼れる父親でもある。

小さい頃から父親には助けてもらった強い父親の記憶、大好きな父親の記憶とともに、父親との関係性の中で傷ついてきた記憶もたくさんある。その傷の中には今も癒えていないものも少なくない。

特に感情的になった時にはいつも傷ついて終わっていた。人は感情的になった時に本性がでるんだと思っていた。自尊心を奪われるようなこと、約束を守ってもらえないことがたくさんあり、だから父親は、本心では自分が大切で、自分のことを心の底から愛してはくれていないんじゃないかと、無意識のどこかで思っていた。

でも、そうじゃないんじゃないかな。人間だから自分が大切な部分もあるけど、それが全てではないんじゃないかな。

引っ越しを前にして、ヨドバシのオンラインショップで家電製品を選び、引越し当日に生活ができるように計算をしながら配達指定などして買っていた。パートナーとの共同生活が始まるので、いい生活のスタートが切れるようにと、ワクワク半分、不安半分で一生懸命考えながら作業をしていた。

履歴を見ると今までに自分が買ったものがある。息抜きにいいなと、2023年、2022年と遡っていくと、2019年にはじめてヨドバシで買ったPCの履歴がある。懐かしいなと思いながら眺めていたところ、自分では買った記憶がない、2012年の購入履歴がある。

2012年は18歳の高校〜大学の年で、ヨドバシオンラインなんて使った記憶がないと思いながら詳細を見てみると、洗濯機、冷蔵庫、空気清浄機、炊飯器。クリックしてみるとどれも見覚えがある。そうか、これは大学に入って上京した時の部屋で使っていた家電だ。

それを見た瞬間に涙が止まらなくなった。もう10年以上前に、自分が知らないところでこのアカウントを作って、今の自分のように、息子の引っ越しがうまくいくように思案を重ねてくれていたのだろうか。引っ越し初日に家電が一気に配達されてきて、必死に(ずっと怒っていて当時は嫌な気分だったけ)対応してくれていた父親の姿を思い出した。

こんな風に、自分の知らないところで、いつも息子の人生のこと、幸せのこと、困ってないか、辛い思いしていないか、ずっと考えていてくれたんだな。遅いかもしれないけど、30歳になってやっと気づくことができた。ああ、俺はものすごく愛されていたんだな、大切に育ててきてもらったんだなと、やっとわかった。

そう気づいたら、小さい頃からのたくさんの愛されてきた記憶がたくさん蘇ってきた。些細なことばかりだけど、自分では考えられないような膨大な時間を、息子のためにと一生懸命過ごしてきてくれていたんだな。

結婚する直前に気づけて本当によかった。面と向かって100%感謝だけで伝えることは、今の自分にはまだできない。だけど、色々あったけど、自分は両親に心から愛されているんだと、確信することができた。

このふたりの息子として生まれてくることができて、育つことができて、本当によかった。30年間本当にありがとうございました。これからもずっと親子なので、何度でも甘えさせてもらうと思うけど。

いつか面と向かっても伝えられたらいいなと思うけど、今はこれが限界。笑


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