お題「彼岸」 戦闘シーン
「彼岸」という言葉がある。
春分の日、秋分の日を真ん中にした七日間。
その七日間に、死者がこの世に戻ってくるのだ。
それはまず置いといて、「彼岸」という単語は実は他にもある。
このヒジョーに有名なネットの単語サイトを、引用させて頂く。
・仏教における悟りの境地。煩悩を脱し悟りに至った理想の境地とされる。
・何事かを超越した理想の境地。
ハイ、これを踏まえて「彼岸」という単語で戦闘シーンぽい文を作ってみる。
彼岸だ。
彼岸が見えた気がした。
彼の拳の皮も組織も筋肉も骨もぶち抜いた、その奥に。
恐怖。
エゴ。
食欲。
色欲。
睡眠欲。
本能すらも悲鳴すらも嫌悪すらも苦痛すらも涙すらも希死念慮すらも憎悪すらも失望すらも全部全部全部。
僕達人間が悩み苦しみ涙し、各々折り合いをつけた答えを見つけて歩んでいく、この狭い世界の外。
そこで目の前のこいつはずっとそんな僕らを俯瞰しながら、ひたすら血を流し、組織が剥がれるような暴痛を甘受してきた。
あぁ。
彼の死の拳が、僕の体のど真ん中に。
僕らのひたむきで愚かな営みすら軽く凌駕し、研ぎ澄ませてきたその拳。
僕の求めてきた、死。
それは、ここにありーー
《終わり》
久しぶりの投稿でもう疲れましたから、ここまで。
あ、この文は真似してもらっても構わないですよ。
こんな拙い文で、少しでも貴方の助けになるのだとしたら。
では、また。
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