禁煙による変化
私は生涯タバコが離せないんだな、と思っていた。
これまで何度か禁煙にチャレンジしてきた。
2日間禁煙に成功し、よかった禁煙出来そうだ、と思い安心してタバコに火をつけることもあった。
こういうことがしばしばあり、禁煙後にあらゆる変化があるなど、知る由もなかった。
最近妻から、
「いつ止めるの?」
と聞かれることが増えていた気がした。正直言う。それがとても怖い。
どこの家庭でも恐らくそうだ。女は、男が思っている以上に強い。
そうした恐怖心から、ある日ふとタバコを止めてみた。しかし私は、自他共に認めるなかなかのクズだ。吸いたくなったら、会社の先輩に貰おう、それで追いつかないようなら、また自分で買おう。そんな生半可な気持ちだった。
早速禁煙スタート。
1日目 : とりあえず、キシリッシュ[東京2020パッケージ]のボトルを購入。禁煙のお供にしよう。
まあまあ吸いたい気持ちはあるが、まだ我慢はできる。
2日目 : 早くも身体に変化が現れた。
私は朝がそこまで弱くはないが苦手だ。休日はいつも、昼までベッドでダラダラしている。
それがなんと、シャキッと目が覚め気分も清々しかった。これが禁煙による影響なのかは、まだはっきりしないところだが。
3日目 : またもやシャキッと目覚めた。
私は確信した。禁煙のお陰だと。
もうそれ以降、ちょっと吸いたいなと思うことはあれど、まだ継続している。
ところで、禁煙によって朝がシャキッとしたわけだが、変わったのはそれだけではない。
1. お金が浮いた
タバコに関わる出費というのは、タバコ本体、ライター、(携帯)灰皿とある。特にライターは誰しもすぐ無くす。小学生にとっての消しゴムみたいなものだ。
もともとそんなに吸う人間ではなかったが、それでもタバコ本体のみでも、月に5,000円程度の出費があった。
私はグミを愛しているので、それらが無くなるということは、月にグミを50個近くは買えることになる。
2. 時間ができた
私は吸うのが遅く、1本に10分はかけていた。タバコを吸うついでに、なんかだらだら時間を潰してしまっていたが、それもなくなった。
3. 指、衣類が臭わなくなった
家に帰ると妻に、「くさっ」、「タバコ吸ったでしょ」と言われるのがお決まりであった。最近はそれも全くない。
香水の匂いとも被らず、いい気分だ。
4. 車が臭わなくなった
もう一度言う。私はクズだ。車でもお構いなく吸うタイプの人間だった。
タバコを断ち切って、対タバコ用ファブリーズを設置することで、臭いともおさらばだ。
などなど。
禁煙によるメリットを、まじまじと感じたのは初めてであったため、少し快感になってきている。
私はタバコを、コミュニケーションのツールとしても利用していた。やめてしまったら、誰とも喋らなくなるのではないかと、少し心配になった。しかし、よく考えれば吸わなくても喫煙所に行けば良い。
副流煙を吸うから禁煙の意味なくね? と思われがちだが、私的にはまあそこはいいかなと思う。
タバコは、百害あって一利なし とよく言われる。確かに身体的には、そうかもしれない。
しかし、先にも述べたように、コミュニケーションツールとしては、かなり強力な武器だ。
これで輪が広がることもある。私はそれに、幾度となく救われた。
嫌なことがあったときも、悲しいことがあったときも、常に気持ちを和らげてくれた。
人と人を繋げるきっかけを作ってくれた。
そんなタバコに、感謝と敬意を表し
敢えて「さよなら」は告げない。
...禁煙をやめる予定はない...恐らく。