怪我にはアイシング?温める?どっちがいいの?という話
どーも鍼と灸えんの渉です
先日のアイシングの話に続いて、今回は、治療に携わる方や運動をする方達の間でちょいちょい話題になるであろう 怪我や肉離れは"冷やしたほうがいいのか?""温めたほうがいいのか?"という話です。
先日のアイシングの話しはこちら
金沢大学の芝口翼、増田和実、小間陸嗣等はアイシングすることで筋肉の回復が遅れるだけではなく、繊維化が起こり、それによってさらに回復が遅れるのではないか?
これには、ミトコンドリアの機能破綻が関わっているのではないか?ということを検証したようです。
※ミトコンドリアとは、体内の小器官の1つで、糖を使って 体を動かすATPというエネルギーを作ったり、体の恒常性(元の状態に戻ろうとする働き)にも大きく影響を与えるとても重要なものです。
体のほぼ全ての器官に存在します。
ミトコンドリアの快適に活動できる温度は、体温とほぼ同じ37℃。
極端に温度が下がったり上がったりすることで活動は低下するので、アイシングで冷やされたことによりミトコンドリアの活動が低下したのでは?と推察できますね。
実験では 傷つけた筋肉をそのままにしたグループ、アイシングのみのグループ、アイシング+温熱グループ。さらに温熱グループはアイシングして1日後に温熱と 2日後に温熱で分けています。
アイシングは全て、損傷直後に0℃のアイスパックで20分1回のみ。
温熱は42℃のお湯に30分浸けたそうです。
28日後の検査での結果は、アイシングのみのグループの筋肉には繊維化が多く見られミトコンドリアの量も減っていました。
それに対し、そのままにしたグループは繊維化も少なく、ミトコンドリアも順調に回復していました。
アイシング+温熱グループでも繊維化が明らかに少ないことが認められたようでが、アイシングした次の日に温熱をしたグループの方が、2日後に温熱をしたグループより明らかに繊維化が少なかったそうです。
残念ながらミトコンドリアの量については書かれていなかったのですが、ミトコンドリアの減少=回復の遅延や繊維化と考えるとミトコンドリアの量も回復したのだろうと考えられます。
筋肉が傷ついた時、応急処置としてのアイシングは、痛みを抑えるのには効果的ですが、早期回復には温熱も必要なようですね。
アイシングでサッと痛みを抑えたら暖かいお風呂に30分くらいゆっくり浸かる(42℃だと熱めですかね?)試してみましょう。
ではまた。