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ドラえもん展と藤子・F・不二雄先生のアイデアが漫画になるまで



ドラえもん展に行ってきた。
東京では2017年に開催されたらしいが、
私が住んでいる地域では今開催している。
2歳息子同伴のため、駆け足の鑑賞だったが、
息子にとっても良き美術館デビューになった。


一部写真撮影可能で何枚か撮影したが、
センスがない×駆け足すぎて
正面からゆっくり撮れなかった。
そんな少々残念な写真とともに、
ドラえもん展を振り返る、の巻。


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【あなたのドラえもんをつくってください】

エントランスにあった藤子・F・不二雄先生の言葉、


"あなたのドラえもんをつくってください"


これは村上隆さんがドラえもんを描くきっかけとなった言葉だとか。
そしてこの言葉で集まったたくさんのアーティストが、
2002年のドラえもん展、
2017年から始まった今回のドラえもん展にて、
「あなたのドラえもん」を制作した、とのこと。


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ドラえもんの作者たる器の大きさを感じさせる
素敵な言葉。


【村上隆さん】『ぼくと弟とドラえもんとの夏休み』『あんなこといいな 出来たらいいな』


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2002年のドラえもん展で制作された
村上隆さんの『ぼくと弟とドラえもんとの夏休み』から
鑑賞スタート。(本当に写真が酷い)
カイカイとキキがドラえもん達と一緒に
楽しそうに空を飛んでいる。
タケコプターをつけて、どこかご満悦に見える。


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大作、『あんなこといいな 出来たらいいな』では、
村上隆さん定番のキャラクターのお花を背景に
ドラえもんの様々な名場面が描かれていた。
この絵のキーとなっている藤子先生、
ど真ん中のどこでもドアは目を引くけど、
何処を切り取っても楽しくて飽きない。

以前森美術館にて
「村上隆の五百羅漢図展」を鑑賞した。
今日のポップな絵もまた素敵だなあ。
と単純に思っていたが、
後で調べてみるとどうやら背景があるらしい。


"この《あんなこといいな 出来たらいいな》のど真ん中には「どこでもドア」が描かれている。これは曼荼羅の中心に主尊を置くことと通じている。ドラえもんの超人気ひみつ道具「どこでもドア」の向こうがちらっと見えていて、金箔やプラチナ箔が貼られている。これは、ドアの向こうは「この世でない世界」、仏画でいえば彼岸、西方浄土といえる。仏のいる浄土にある華池、宝楼や宝閣などの建物もまたそこに植わる宝樹も、みな金銀珠玉を散りばめられ、しかも、それらは清らかでありながら、光明赫灼と輝いているとされている。"
「村上隆のドラえもんから、なぜかヌードの歴史にたどり着く。」鈴木芳雄「本と展覧会」casabrutus.comより引用


奥深さを全然知らずに鑑賞していた。あの森美術館で見た五百羅漢とどこか繋がっているのかもしれない。



【蜷川美香さん】『ドラちゃんと1日デートの巻』


以前、今日と同じ美術館であった
「蜷川美香展」にも足を運んだ。
蜷川美香さんの撮る女性が好きで写真集も持っている。

蜷川美香さんと言えば、
人物の写真!
花の写真!
お洒落でショッキングな色合い!
なんとなくこれらのイメージを抱いていた。


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でも、今日見たドラちゃんの背中の写真は
とても優しくて、ブルーには深みがあって、
ドラちゃんへの愛を感じた。
私もドラちゃんと1日遊んでみたいなあ。
あたたかいなあ。

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【しりあがり寿さん】万事解決!劣化防止スプレーの巻


こちら撮影禁止ゾーン。
しりあがり寿さんワールド全開。
シュールでゆるくてふざけているけど、
ばっちり印象に残った。

中々パンチの効いたストーリーとアニメーションで、
ドラえもんが劣化していく場面など、
「息子はトラウマになるんじゃ‥?」と
少々過保護に怯えた
が、
本人はそんな心配は露知らず、
楽しそうにアニメーションを観ていた。

エンディングでキャラクター達が
裸でブレイクダンスを踊り始めた時には爆笑した。



【奈良美智さん】『ジャイアンにリボンをとられたドラミちゃん』 『依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中』


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奈良美智さんのドラミちゃんといえば、リボンがない。

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やっぱりない。
2002年から10年以上経ち
未だにリボンを取り返せずにいて、
更に涙目になっている事になんだか笑えた。

鈴も取られてしまっているらしい。

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紙の切れ端に描かれたドラミちゃんスケッチが
何ともお洒落で奈良さんワールドだった。



【増田セバスチャンさん】『さいごのウエポン』


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6%DOKIDOKIの世代ど真ん中だった私。
ドラえもんがKawaiiワールドに染められている様子を見て歓喜した。キラキラしてるよ‥かわいいよ‥。

息子がこのKawaiiドラえもんを見て爆音で、
「ドラえもん、あっかんべーしてる!あっかんべー!だ!」と言い始め、しまいには、
向かい合ってあっかんべーを始めていた。

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何にせよ、アートに心を動かされたのならば、良しとしよう。



【山口晃さん】『ノーアイアムデー』


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「生きる意味なんてないから、勝手に決めれば良い。」
モノクロのドラえもん達の会話が深すぎるよお。 


その他の作品も、少々残念な写真と共にどうぞ。
実物はもっと素敵なんだよ。

会田誠さん『キセイノセイキ~空気~』

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福田美蘭さん『波上群仙図』

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近藤智美さん『ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ』

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西尾康之さん『OPTICAL APPARITION』

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森村泰昌さん&ザ・モーヤーズさん

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篠原愛さん『To the Bright 〜のび太の魔界大冒険〜』

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坂本友由さん『僕らはいつごろ大人になるんだろう』

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ドラえもん展は最後、こんな言葉で締め括られていた。


"ドラえもんがいてくれたらと、今日も思う。"


藤子・F・不二雄先生のタネ手帳


さて、ドラえもん展で購入したお土産はこちら。


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全作品が載っている図録が結構分厚かったので、
代わりに何気なく購入した公式ガイドブック。
これがとても良かった。

「藤子・F・不二雄先生に学ぶ作家の心得」
と言うページの5つの心得が刺さったので紹介する。
ここで語られている
アイディアの立て方、膨らませ方が本当に面白かった。noteを書いている方には刺さる事間違いなしなので、
是非読んでもらいたい。


【心得其の一】
まんがに限らず何か創作する人というのは、絵描きさんでも、作家さんでも、作曲家でもそうだと思うんですが、自分の中に何か表現したい、自分以外の人に向かって訴えたいものを自分の中に持っているかどうかがいちばん大事なことだと思うんです。

【心得其の二】
大傑作になりそうなアイディアを暖めている、まんが家志望のきみ。頭の中で、いつまでもこねまわしていないで、思い切ってペンを取ろう。買わない宝くじは当たらない。チャンスは多ければ多いほどいいのです。

【心得其の三】
物を作るというのは、その人の個性を百パーセント発揮させないとうまくいかないんです。いろんな意見を出し合って、足して二で割る、三で割るというようなやり方ではダメなんです。

【心得其の四】
短時間で浮かんだアイディアはおもしろいですが、練りに練ったアイディアはダメですね。

【心得其の五】
ある彫刻家が言っていました。自分で作るんじゃなくて、空間にその作品はすでにできていて、自分はそれを取り出すだけなんだと。僕もそんな気がしているんですよ。


THE ドラえもん展 TOKYO 2017 公式ガイドブック[DORA ART]より引用



そう言えば、100年ドラえもんの公式note
最近開設されていた。

そこで見つけたこんなnote。
藤子・F・不二雄先生とドラえもんがもっともっと好きになった今、足を運んだら面白いだろうなあ。




明日から、良いアイディアだなあと思ったことは、すぐにnoteにしよう。




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