子どもへの声掛けのしかたについて
親として、保育者として、教師として、療育者として、立場は違っても子どもにどのように関わるかは永遠のテーマです。その中の一つに「声掛け」があると思います。最近療育現場で声掛けについて気になる光景があったので今日はそのことについて述べたいと思います。
これは昨日一人のスタッフが児童に関わっている際に発した言葉でした。状況としては、この児童はなかなか切り替えが難しい児童でした。例えば、遊ぶのに夢中でトイレに行くことへの切り替えが難しい、手を洗うことをしないで遊んでしまうなど、です。例えばこのような状況の時にみなさんはどのような言葉をかけますか?昨日のスタッフは最初は落ち着いてその児童の行動が切り替わることを待っていました。しかし、なかなか行動が切り替わらなかったので、次第にそのスタッフはイライラしだした様子でした。そしてその後、「トイレに行かないならおやつをあげないよ」、「早く〇〇せなんよ」というような言葉を発しだしました。しかし、いっこうにその児童は次の行動へ切り替えることができませんでした。
児童が帰った後の振り返りの際にこのことを話題としました。私は以下のようなことをスタッフに話しました。「トイレに行かないならおやつをあげないよ」というのは一種の強迫(そこまでは言い過ぎかもしれないですけど原理は一緒だと思います。)ですよね(笑)。また、「早く〇〇せなんよ」というのは大人側の都合での声掛けですよね」と言いました。その代案として私は次のように考えました。同じトイレに行かせるでも、「トイレに行ってからおやつにしようか」、「早く」に対してはその児童がなぜ行動の切り替えがうまくできないのか、また、少しでも早く切り替えられたときに「〇〇くん今すぐに動けたね」というようにできたことに対してそのことに適切な言葉かけをする、と思いました。当然この接し方が一番よいかはわかりませんが、常に自分自身の関わりを振り返り、次につなげる意識をもたなければ、児童とスタッフの関係が悪化していくことにつながると思います。
なかなか難しいことですが、大人都合の言葉かけではなく、少しでも子ども目線からの声掛け、接し方をしたいものです。自分自身への戒めとしながら書いてみました。