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20240711 なぜ働いていると本が読めなくなるのか 三宅香帆


読書とは、
自分とは遠い人の人生や考え方を知る。
取り巻く世界を他人の視点を借りて理解する。
と答えるだろう

他の人が読書をしないことが不思議だった
メタ視点を持つことが、階級を上げることにつながると言えそうなので、著者の意見に賛同する。

歴史小説、大河ドラマに興味がなかったのは、世界の本質的な原理の理解には人の心、気持ちがノイズとなってしまうから
年を経て、日々の事柄には人の気持ちが影響し、その後に大きな変化に発展することを学んだ

学歴は人よりあり、階級を上げたいと思ったことがなかったので、上げたいと思う人の気持ち、特に自分への妬みや嫉みえを、感じることができなかった。

自分のではなくて、人の感情の一部を、TOCの思考ツールで、図化できるようになったのは、幸いなことだ。その図を利害関係者が興味を持ってくれれば、感情を踏まえて話し合いに進むことができる。

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読書階級の一員たるサラリーマン層は、新聞・講談雑誌を読む労働者との差異化の必要に迫られた

本を一つ一つ選んでいる暇なんてない。そんなに高い本も買えない・だが、教養によさげな本は手に入れたい

現代のパズドラは、戦前の演劇や映画、大衆向け雑誌

源氏鶏太:母が好きだった

「歴史という教養を学ぶことで、ビジネスマンとしても人間としても、優れた存在にのし上がることができる」という感覚の帰結が司馬遼太郎

オイルショック以前の1960年代 高度経済成長期において問題となったのは、とにかく労働力不足
2024年も労働力不足。前回は生産設備投資。今回は、IT投資。

労働に教養が貢献しなくなった(80年代)

カルチャースクール
いつの時代も「大学ではない場で学ぼうとする人々」には、蔑みの視線が向けられるものらしい。「エリートによる優越感からくる攻撃」

読書や教養はつまり、学歴を手にしていない人々が階級を上がろうとする際にみにつけるべきものを探す作業を名付けたものだったかもしれない

1995年「脳内革命」脳から出るホルモンが生き方を変える
→この時期から、このようなことが言われてきた

仕事を頑張れば、日本が成長し、社会が変わる。高度成長期のモデル
→ATTによって、「個人の小さな目標を達成すれば、会社が成長し、待遇が変わる」こうい事を実践したい

読書とはノイズ
自己啓発書はノイズを除去する
自己啓発書の特徴は、自己のコントローラブルな行動の変革を促すことにある
→まさにATT
アンコントローラブルな外部の社会を、ノイズとして除去するのではなくて、リスクとして引き受ける

現代の労働環境の中で働いていると、いかに市場に適合できるかを求められる→息苦しいわけだ

労働者の実存が教養でなくむしろ労働によって埋め合わされる傾向にあり
→教養、修養は、労働なのか?

過去や歴史とはノイズである。文脈や歴史や社会の状況を共有しているという前提が、そもそも貧困に「今」苦しんでいる人にとっては重い
→百年の孤独は、ノイズだらけだ。自己啓発書はノイズが少ない

情報=知りたい事
知識=知りたい事+ノイズ

自分から遠く離れた文脈に触れること-それが読書
ノイズを頭に入れる余裕がな
い。だから働いていると本が読めない
仕事以外の文脈を取り入れる余裕がなくなるからだ

「頑張り過ぎたくなってしまう」ことが今の社会の問題点
本当は疲労しているのに、疲労に気づかないふりをしてしまう

生活のあらゆる側面が仕事に変容する社会を「トータル・ワーク」
全身全霊でなくて、半身で働く

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