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自分の人生をデザインしよう

「hey designers night Vol.2」
シリコンバレーのデザイナーが語る、これからのデザイナーに必要なこと

シリコンバレーのデザイナーからリアルな声が聞けるということでかつてない抽選倍率だった様ですが、めでたく当選できたので…
こちらのイベントに参加してきました!

グローバルなビジネスにおけるデザイナーの在り方やデザイナー自身のキャリアパスの作り方について、「コミュニケーション」「メンタルの持ち方」という意外な切り口からアツいお話を聞くことが出来ました。


登壇者

中島 大土 ランツさん(Airbnb , Desighn Lead)
米アップル本社で採用され、UIデザインに携わる。その後EvernoteのAIデザインチームを立ち上げ、ユーザーをよりスマートにするための「拡張知能」のデザインに取り組む。2015年9月より米Airbnb社のDesign Leadとして、 Design Language System、Trips、レストラン予約、プロダクトローカリゼーションなど、様々なプロダクトの担当やローンチに関わる。
久下  玄さん(コイニー株式会社 プロダクトストラテジスト)
デザインファームtsugを創業。国内外の大企業やスタートアップをクライアントとして多数の製品開発や事業立案に携わる。並行して2012年にコイニー創業に参画。コイニーではコンセプトや戦略のデザイン、ハードやアプリのデザイン&エンジニアリング、デザイナー&エンジニアチームのマネジメント、新規事業の立ち上げ等を担当。

モデレーター

上野 美香さん
ネット・IT、およびゲーム関連ベンチャーでのマーケティング、広報活動の支援を行う。インターネットコミュニティに造詣が深く、ソーシャルメディア上でも積極的な情報発信を行う。


開催当日。
主催であるhey株式会社さんのおしゃれなエントランスを通り、参加費無料にも関わらずオリジナルパッケージのキットカットと飲み物(ビール)をいただき席を陣取りました。いかにもITといった雰囲気のおしゃれメガネさんが多く集まり、大半がPCを開いていた様に思います。
 
いつの間にか登壇者の皆さんは前に登場しており、ゆるくイベントは開始しました。が、中身はゆるいどころか熱気に溢れていました。
中島さんのアツいお話はとどまるところを知らず、喋りっぱなしの1時間半!誰かのためにものをつくるクリエイターとして、他人を尊重し個人を貫くコアバリューを教わりました。その中でも特に印象に残った発言をピックアップします。


アジェンダ

-  デザイナーはストーリテリングが仕事
-  体験設計のプロセス
-  お互いのロジックが崩れるくらい話し合う
-  フィードバックはkindenessで
-  戦うのではなくわかりあう
-  自分がベストの状態で初めて他人のためのものが作れる
-  自分の人生こそ自分でデザイン
-  中島さんのライフワーク
-  まとめ


デザイナーはストーリテリングが仕事

最初に入社したAppleではいわゆるデザイナーとして見た目に関わることが多かったそうですが、マネジメントを経験し、これからはデザイナーがプロダクトの成長と成功に責任を持つべき。と感じたそうです。

Why / How / What  でプロダクトのストーリーテリングをする

● モノだけを作っても仕方がない。デザイナーは、つくったもののストーリーとジャーニー、ポテンシャルがどれだけあるのかをリーダーに教えなければならない。

● 何かをつくる時にWhatから考えてしまうと、どういう理由でつくっているかが理解できない。ストーリーが考えられていないものは、ユーザーにミッションが伝わらず無用なものになる可能性もある。


体験設計のプロセス

「Airbnbのレストラン予約」の場合
何がairbnbのためになるのかという課題から考えられたプロジェクトです。
ストーリー、ユーザージャーニーを精査するためにブレインストーミングでのアウトプットを重視されていました。

すべてのストーリーに触れることを大切にする

● 例えば、友達と2人で初めてイタリア旅行にいくとして、イタリア語は喋れない場合、どこに食べに行くか、どうやって移動したらいいかわからない・・・そういったトラベラーの具体的な行動を想定し、ギャップをどうやって埋めるか、それを解決していくものを考えていく。


お互いのロジックが崩れるくらい話し合う

そういったアイデアがプロジェクトに乗ることは少ないけれどどうやって推しているのかと久下さんが質問すると、中島さんのチームやパートナーとの関係性の築き方についてに話題が及びました。

プロジェクトと向き合ったこと、リサーチしたことを自信を持って話し合う

● だいたい、パートナーが賛成する確率は50%
そういう時お互いのアイデアを話し合って、Whyを繰り返して相手のロジックが崩れるくらいぶつけあう。そういった関係をつくることが大切。

● そのために初めて会った人でも理解しあうために、しっかりリサーチし、数値で見せるべき。

● Noと言われたからといって流されない様に自分の意見は絶対持っておくべき。上司の意見とぶつかったとき、自分の方がプロジェクトに向き合っている時間は長いし、リサーチもしっかりしてる。自信をもって上司のためにもより良い方法を教えてあげる。


フィードバックはkindenessで

意見が食い違ったときには褒めながら話した方が良いとされているけど、無理やり言葉をぼかして褒めるのがいいことなのかと久下さんから質問がありました。その答えには中島さん自身のコアバリュー”チャレンジ”が大きく関わるフィードバックの方法がありました。

周りの人がチャレンジし、成長し続けられる様にKindnessでありたい

● 若い時から、これはダメ、あれもダメというフィードバックがあると全否定をされたと感じてしまう場合がある。今はniceを使ってぼかしたやさしいフィードバックが多い。

● しかしフィードバックはniceではなくkindnessであるべき。
その人の成長のために、歯に衣着せぬフィードバックをする。


● 大企業が相手でも、エンドユーザーのためを考えてはっきり言う。
パートナーの成功のために、否定だけでなくアクション、ステップを教えることが重要。


戦うのではなくわかりあう

airbnbにいる人なら当然というような考え方やスキルはあるのか、という質問に中島さんは、他人と自分は違うものだから当然という状態はないと答えました。

一緒にやっていくためにも、意見の違いは叩くのではなく理解しあう

● クリエイターなのに、全く同じ考えである方がおかしい。
"戦う"とネガティブなコミュニケーションにしない。

● 意見が違うことをお互い理解し、そこからどうするかを考えていく。

● これは、自分がチームを作り始めた時に考えかたが変わった。
戦うというのは、誰かが勝ち、誰かが負けること。勝ち続けていっても振り返ったとき、今後も一緒にやってくれる人はいるのだろうかと。

● 理解するために、アイデアへWhyを繰り返していると相手がファイティングポーズをとっている場合もある。そんな時は、あなたのために質問しているんだと説明する。自分以降のフェーズは一度きりのチャンスかも知れない、でも自分が聞かなければいつか誰かがロジックを崩す質問をするはず。

● 相手の言いたいことを考え、どうにかしてその人のサポートをするのがリーダーの仕事。だから本当のリーダーは前、後ろ、横と人によって立ち位置を変える。



自分がベストの状態で初めて他人のためのものが作れる

素晴らしいプロダクトを作っているのになぜか自信がなく、自分の価値を理解していない学生がいた。彼女自身のことをパーソナルな部分まで話し合っていくうち、だんだんと自信をつけ、結果的にプロダクトはさらに素晴らしいものになっていった。そんな実体験を中島さんは話しました。

自信をつけたクリエーターは、より素晴らしいものを作れる

● なんのツールを使ってるかはどうでもいいこと。
道具を使ってどうやって自分の意見を通しやすくするのか、どうやって実現するのか、自分のストーリー、ビジョンをわかりやすく伝えるために道具を使うべき。

● ツールよりも自分の価値を設定し、自信をもつことが大切。

● 他人の価値観に振り回されていても成功できないのに、自分が設定しなければ他人が価値観を決めてしまう。
他人より先に自分で価値を決めて、理解してもらって、貫いていくこと。


自分の人生こそ自分でデザイン

バーンアウトになるには3つの原因がある
3つの内2つ当てはまるとバーンアウトしています。
・(長時間労働などで)フィジカルが満たされていない
・同じことを繰り返している、成長できていない
・自分の価値観が受け入れられていない、認められていない
中島さん自身も3、4回バーンアウトの経験があるからこそ一番伝えたいことだったそうです。

バーンアウトから立ち直るために自分の価値観を言語化する

● バーンアウトした人間はまず転職する。しかし根本は変わっていないのに転職しているので、またバーンアウトすると転職。を繰り返すことになる。

● バーンアウトしている時はチャンスを見逃しやすい。
流されない自分の価値観、大切にしているものを意識しているのか、具体的なキャリアパスを考えて、ちゃんとリーダーに相談したのかを思い出そう。

● バーンアウトから立ち直るためには、まず自分がバーンアウトしているかを認識することから。

● 何よりも大切なのは自分の時間。今感じている気持ちはなぜなのか、何に時間を使えば納得できるのか何を変えれば納得できるのか、を書き出す。そして自分でプランを決める。


中島さんのライフワーク

度々のバーンアウトを乗り越えた中島さんは、プロダクトのリニューアルと同じ様に、定期的に自分の価値観の見直しを行っていました。

● 人生のマイルストーンとして3ヵ月おきに今Happyかを見直す。
● Noが多ければなにかを変える。


まとめ

非常にデザイナーらしく、ロジカルに自分の中の問題を解決してこられたという印象がありました。自分をベストに保つ術を得たからこそデザイン面だけでなく"誰かのために"という自分の価値観を大切にして活動しているんだということがわかりました。

私自身WEB業界に入って半年で、使えないツール、知らないことばかりで自分の無力感を感じていたところでした。しかしそれは表面的な問題で、自分の価値観を見直すきっかけになりました。

中島さんの発言のまとめになってしまいましたが、中島さんがアツく語る中久下さんが絶妙に話を深めてくれる素晴らしく充実感のあるイベントでした!次回も期待です!


▼イベントURL

▼主催のhey株式会社さんです。おしゃれオフィスでした。

#heydesignersnight



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