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1.人類の3大発明

 教科書には、15~16世紀のヨーロッパに大きな社会変革をもたらした三つの発明、「火薬」「羅針盤」「活版印刷術」があげられている。しかし、実際には古代中国の4大発明とされる「紙」「印刷」「火薬」「羅針盤」が、ヨーロッパに移入されて改良・実用化されたものであることを知ると、真の発明(創造的思考)とは何かを考えさせられる。
 創造的思考とは、ゼロから全く新しいものを生み出すことと定義する必要はない。たとえ既存技術の改良改善であっても、結果的に社会に大きな変革(イノベーション)を与えるものであれば十分に創造的思考と考えてよく、その方が現実的でもある。
 現代の3大発明といえば、「スマホ」「デジタル通貨」「ワクチン」であろうか?いずれも基になる技術や概念があり、それらが集積されることで現在の生活には不可欠なものとなっている。すなわち、創造的思考を行うためには、基になる情報収集が極めて重要なことが分かる。

 ところで、人類が2足歩行を始めた頃に、「道路」「階段」「橋梁」の3大発明が行われた。といっても誰が?何時?どうやって?発明したのか全く分からない。しかし、人類が必要に応じて開発し、その後、改良・改善が積み重ねられてきた。
 すなわち、道路は平地を移動するために必要な構造であり、人の歩く道(獣道と変わりない)に始まり➡荷車が通る道➡馬車が通る道➡自動車道路➡高速道路へと発展を続けている。
 また、階段は高低差のある場所を移動するための構造であり、単なる段差に始まり➡木製の土留め階段➡石段➡コンクリート階段➡鋼製階段へと発展を続け、現在は➡エスカレータへと飛躍的な発展を続けている。

 一方、橋梁は河川を渡る構造として発明され、やはり改良・改善が加えられ発展を続けている。しかし、橋梁には、道路や階段とは異なる『美しさ』が見て取れる。
 
現在では、様々な形式の橋が知られているが、どのようなアイデアで開発が行われ、進歩発展することで多様化してきたのか、橋梁発展の歴史とともに創造的思考によるイノベーションについて考えてみる。

写真1 ドイツ・ベルリン・ミッテ区の大公園ティーアガルテン (Großer Tiergarten)の道 
ブランデンブルク門の西に広がり、かっては王家の狩猟場であった。

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