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親が無断で私のヴィトンのバッグをよりにもよってBOOKOFFで売り払った話

と、タイトルにすると「とんだ毒親じゃねえか」と思われる方もいらっしゃると思います。

私も母から「あんたのヴィトン、邪魔だから売ったから」と事後報告を受けた時に、瞬時に事実を受け入れることができませんでした。

続けて母から

「BOOKOFFで買い取ってもらったから」

と告げられた際、

よりにもよってBOOKOFF!?

二束三文じゃん〜!!

売るならせめてメルカリにしてよ〜!!

っていうか、売る前に一言声かけてほしかったよおおお😭

と反発してしまいました。

娘の反論を受けて、母マジギレ。

普段とても温厚な母親がここまでキレている姿は空前絶後です。

サンシャイン池崎も裸足で逃げる空前絶後っぷりでした。

もしかして、しばらく会わないうちに老人性の情緒不安定始まっちゃったのかYo!

ちなみに姉のヴィトンもBOOKOFFにドナドナされた模様です。姉、御愁傷様です。

私はケチ倹約家なので、ブランド物は興味はありません買えるお金がありません。

しかし、学生時代にお金を貯め、小さいながらもヴィトンのショルダーバッグを購入しました。私が持つ、唯一のブランドものです。

それこそ清水の舞台から飛び降りる覚悟で、
大枚叩いて購入した思い出のバッグなのです。

私としては「思い出」を「ゴミ同然で捨てられた」ことがショックでした。

しかし、ここまでは私の感情です。



今度は母親の立場になってお伝えします。


最近になって、76歳の父は急激に身体が衰えるようになりました。

認知症ではないものの、以前よりも覇気がなく、足が思うように動かないため、外出を嫌がるようになりました。

(父の様子からは、骨折による寝たきりを恐れているようにもうかがえました)

話しかけても返答はゆっくりで、声も以前と比べてだいぶ小さくなりました。


救いなのは入れ歯が一本もなく、歯が丈夫なこと。ご飯はしっかり食べられます。
だからこそ、母としては父の筋力を鍛えたいようでした。

父の筋力トレーニングのために母が購入したマッサージ機が自宅には溢れかえっていますが、父が積極的に使用する気配はありません。

さらに、父は頻尿気味で深夜に数回起床するようです。
母は治療のために父に付き添い、1年かけて通院したものの、頻尿が改善しない状態です。

夜間に、自身で起き上がれない父のため、母はその度に起き、トイレに付き合ったようでした。
(現在、介護認定の申請中とのこと)


頻尿には足のむくみを取るための散歩が効果的ですが、やはり父が外出を嫌がるため改善しないようです。

父の体調を良くしたい一心で母はいろいろと尽くすのですが、父が積極的に治そうとしないため、何事も空振りに終わるようでした。


数日前にネット情報で知ったのですが、父は老人性の無気力・無関心(アパシー)なのではないかと私は推測しています。

※アパシーは病気ではないので薬でどうこうするものではないようです。
やる気が出るように、父が興味のあるお話をすることから始めるのが良さそうです。

また、私が以前実家に帰った際に「うちは物が多いねえ」と話したことが母の気に障ったようです。

さらに仲良しの親戚の方から

「私の義母が亡くなった時はすでに物をたくさん捨ててくれていたから、すっごく片付けが楽だったの!!!感謝したわあ」

そのように聞いたことから母の断捨離魂に火がついたようです。

自身で改善に努めない父への不満と、自身の死後、娘たちに少しでも片付けの楽をさせたいという焦りがまぜこぜになった状態だったかと思われます。

そんななかで、不用品を破棄したのは母の「終活の一環」でした。

(事前に実家にある物は捨てるという母からの告知はありましたが、まさかブランド物も含まれるとは思いませんでした。)

BOOKOFFさんに引き取ってもらったのも「娘たちのために1円にでもなればいい」という思いからでしょう。

ゴミ袋に入れて捨てた方が手っ取り早いのに、わざわさBOOKOFFさんに引き取ってもらう手配をしたのは、せめてもの親心だと思います。

姉と私のヴィトンの総査定額は8800円。

真面目な母は自分のお財布にこっそり入れる、なんてことはせず、姉と私で折半してお金をくれました。

そこで冒頭に戻るわけですが、

こちらとしては「母の終活の一環」なんてことはつゆ知らずなわけですから
「なぜ!私の唯一のブランドものを!?」と困惑しちゃうわけです。

母にとっては当然の流れでしたし、私にも説明済みのつもりだったようですが、相互理解が甘かった。

私が少し取り乱したので、母としては
「なぜ善意で行ったのにそんな態度になるのか?!むしろ感謝してほしいくらいだ!」と母も困惑したのだと思われます。


以前より物事を判断する時には、

「必ず相手の状況も想像し、考え、寄り添って判断するんだよ」
と教えてくれたのは、ほかでもない母でした。

その母も70歳を超えます。

母が自分の気持ちを伝える時、いろいろと言葉が抜けていたり、感情を表に出しやすくなっているので、背景を理解せずに額面通りに捉えると流石にこちらが傷つくことがあります。

「家族だから強い言葉を使っても良い」という甘えも中にはあると思います。

「今まで我慢してきたのだから最後くらい本音をぶつけてすっきりしたい」という気持ちも母にはあるのでしょう。

私はカウンセラーではないので、すべてを受け入れることはできません。

しかし、今の母親に必要なのは、
40年以上積もりに積もった不平不満を少しずつ吐き出させ、否定せずに傾聴することだと思いました。


あと、頂いた元ヴィトンのお金で、

私は鰻を食べます。サンキュー。

そして、
私の思い出を買い取ってくれてありがとう。
BOOKOFFさん。

捨てずに取っておいてもらった幼稚園の卒アル
ちびやすたに画伯のイラストです


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