#妄想つぶやき選手権「くまの小屋にて」

この記事は環境音で火のはぜる音を聴きながらお読みいただくことをお勧め致します。🐻

目を覚ますと、そこは天井の高いロッジの中で、わたしはキングサイズのベッドの上に寝かされていた。

奥のキッチンの光はこちらまでうっすら漏れて届いている。リビングには暖炉でもあるのだろうか、パチパチと火のはぜる音が心地よく聴こえてきた。

わたしはなぜここに寝かされているのか……。曖昧な記憶を辿るが何故かこれまでの経緯は思い出せない。
その代わり、ふんわりとした丸いしっぽのついたおしりが3つ、キッチンでふりふりと動くのが目に入った。

小さな茶色いおしりがふたつ、おおきなおしりがひとつ。

あたまにはふたつのまあるい耳がついている。
そう、直立二足歩行をした熊である。

「おかあちゃん、お客さんはシチューが好きに決まってるよ」

「違うよおかあちゃん、お客さんははちみつたっぷりのカレーが好きなはずさあ」

2匹の子熊は母熊の赤いチェックのエプロンを交互に引っ張りあっている。今晩の夕ご飯の決着を2匹は決めようとしているらしい。

もしかして客というのは、わたしのことだろうか。

「じゃあ2人とも。お客様にご挨拶に行って、その時にシチューとカレーのどっちがいいか聞いてちょうだい!」

母熊がぱふ、と両手を叩くと2匹の子熊は床に寝そべってぐるんぐるんと回転し始めた。

でも、だって、そんな、にんげんとお話するなんて、したことないし、恥ずかしいやい!

どうやら2匹とも内弁慶の子熊のようである。

ぐるんぐるん頭を床につけてブレイクダンスの様に踊る2匹をこっそり垣間見ながら、シチューにするか、カレーにするか、ううんと妄想をするのであった。

#妄想つぶやき選手権  に勝手ながら参加させて頂きました〜。ありがとうございました。






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