さぼりの代償は
今中さくらは焦っていた
音楽家の両親のもとに生まれ、今も自室でピアノのレッスンを自宅で父から受けているのだが先週渡された課題曲が全くといっていいほど弾けないのだ。
焦れば焦るほど指は動かず楽譜とは違う鍵盤を叩いてしまう。
「さくら、もういい。一体どうしたんだ?そんなに難しい課題じゃないはずだよ?」
パパが見かねて声をかける
「・・・ご、ごめんなさい・・・」
震える声で答える
「練習はちゃんとしたのか?」
「う、うんもちろん!!」
一瞬ドキッとしたがつい咄嗟に嘘をついてしまった。
実は前回のレッスンからほとんどピアノをさわっていない。
友だちと遊んだり、見たいテレビがありついつい
ピアノを触らずに過ごしてしまったのだ
父はそんなさくらの一瞬の表情を見逃さない。
「本当に練習したんだね?」
「あ・・・あの・・・してないです・・・
ごめんなさい」
パパから発せられる重圧に耐えきれず白状してしまうさくら
「パパに嘘をついたんだね・・・?」
「違う!違うのパパ!!今週忙しくてできなかったの!ごめんなさい!許して!」
「何も違わないよ、さくらは今嘘をついた。ムチをします。おしりを出してベットによつんばいになりなさい」
今中家では死刑宣告に等しい言葉にさくらは必死に減刑を乞う。
「パパ、お願い!!ムチはしないで!!お願いだから!!これからはちゃんと練習するから!!」
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