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B.プレミアが26クラブになった背景について
2026年、B.革新初年度、B.プレミアクラブが、当初予定に比べて26クラブと増えたことでプレミア感がなくなったのではないか。改修アリーナが施設基準として認められることへの違和感。クラブ数が増えるということは、コート上の質が落ちてしまうのではないか。つまり、プレミアという言葉からどんどん離れていっているのではないか。ファンの皆さまのみならず、メディア、選手からも多数ありましたのでお答えさせていただきます。
結論としては、ある種おっしゃる通りかもしれません。しかし、BリーグはNBAに次ぐ世界第2位のリーグを目指しています。これは、コート上の質、リーグ、クラブの経営力、グローバルなプレゼンス含めてです。同時に、2050年、感動立国という長期ビジョンを掲げて、Bリーグは単なるプロバスケリーグという立ち位置だけでなく、地方創生リーグとなり、日本社会の未来に貢献していくことも宣言しています。
B.革新は、その実現に向けた大改革でもあります。この改革で絶対に外さない3原則をクラブと握っています。①クラブ経営の成長性と健全性の担保②日本代表の強化③日本社会への貢献、となります。
①は、文字通り、サラリーキャップやドラフト、競技による昇降格制度の廃止、売上高・入場者数・アリーナなどの経営力で評価するビジネスモデルへの転換。エクスパンションリーグとして、地方のクラブでも夢を絶やさない仕組みにすることでモチベーション、熱量の継続でクラブ経営を助け、成長性と健全性に繋げていくというものです。
B.プレミアについて、コロナ禍にルールを策定した時は、プレミアに10クラブ到達しなければ延期。2026年の初年度は、マックス18クラブでした。2年前までは、いっても14くらいかな?というのが大方の予想でした。エクスパンションリーグなので、徐々に増えていき2030年くらいに24くらいになったら素晴らしいなと思っていました。
そんな中、コロナ禍の終焉タイミングと時を同じくして、ファンをはじめパートナー、自治体、メディアなど多くの方々のご支援、クラブの経営努力、オーナーチェンジの活発化などにより事業拡大が続きました。また、沖縄でのワールドカップでの盛り上がりというバスケ界にとっては千載一遇の援護射撃もありました。沖縄アリーナ、群馬のオプアリ、佐賀アリーナと早期に誕生した3つのアリーナが、破壊力を持って全国のファン、自治体、クラブオーナーにアリーナの魅力、Bリーグのポテンシャルが伝わるターニングポイントとなりました。
信じがたい状況ですが、昨年末には24くらいのクラブが基準をクリアしそう、つまり18クラブ上限では6つくらいのクラブを相対評価という難しい判定で不合格にしなければならないという状況となりました。プレミア=希少性、ピカピカのイメージと死に物狂いで各地で努力し、アリーナを実現可能なところまで整えているクラブ経営の腰を折る、というどちらを優先すべきかという難しい局面になりました。
全クラブとも議論をして、エクスパンションリーグとして増えることを許容することを決めているのに、ここでバサッといくことでいくつかのクラブがその地域で厳しい状況に陥らせて良いのか。結果、クラブ経営の成長に繋がる大義を持って18クラブの上限を撤廃することを決めました。このような背景があり、26クラブとなる今の流れに繋がっています。
Bリーグとしては、クラブの成長なくして、リーグの発展なし、リーグの発展なくしてバスケ界の繁栄なし、と考えています。クラブの努力に報い、サポートしていくことがリーグの仕事である以上、また、地方創生リーグを宣言している以上、あの時正しい判断を全会一致でしたと今でも思っていますし、成長クラブが多いというの喜ばしいことだと思っています。つまり、プレミア感という印象よりも今の状況を優先しました。
また、プレミアに施設改修も認めた背景というのは、水戸のように新しく誕生したばかりの施設、長野のようにオリンピック会場にもなったレガシー、そもそも新設は難しくても改修ならなんとか出来るという自治体も多数ありました。このご時世で新設だけを条件にするのは地域事情がある中で、フェアではないと考えました。
また、体育館の建て替えのタイミングは、10年後くらいにあって、今は難しいものの、改修をもってクラブ価値をキープさせることで、そのタイミングで新設に移行したいと考えるクラブやオーナー、自治体にも配慮したかったからです。
②の日本代表の強化に資するか、つまり、コート上の質問題はビジネスとは別にあります。そもそもサラリーキャップはありますが、スター選手条項もありますので高いレベルの日本人選手、外国籍選手、アジア特別枠を迎え入れることを可能にしています。また、オンザコートスリー(登録もスリー)にしているのでコート上の質と日本人選手のプレータイムのバランスも考えています。
最終的には、高いレベルでプレー可能な日本人選手の供給力と外国籍選手のレベル、オンザコートルールをコントロールしながら、中体連、この高体連、ユースでプレーする若い選手を育成し、海外挑戦の後押しなどをしながら成長支援をしていくことで品質を大切にしていく考えです。
③の日本社会への貢献は、ソフトであるクラブとハードであるアリーナを軸にクラブのあるホームタウンを中心に豊かな街づくり、バスケ・エンターテイメントなどによる経済効果と若者のUターン、シティプライドの醸成、健康寿命、子供たちの心身の健全な発達などへの貢献、震災など自然災害時の避難所の確保など、社会的な価値に繋げていきたいと考えています。
地方創生、B.革新、バスケ、ビジネス、施設投資、経済・社会的価値、人口減少など様々なキーワードがあり、なかなか掴みどころがなく、見方によって賛否両論があることは当然です。
今回のプレミアの印象と世界観と流れが繋がっていないような感覚にさせてしまうこともあると思いますが、Bリーグを競技だけでなく、ビジネスだけでなく、日本社会に本質的な貢献をしていきたいと関係者一同、心から思っております。Bリーグは時代と共に変化、進化していきます。クラブ数が多くても、プレミア感を持っていただけるように尽力していきます。B.革新の価値を証明するタフな旅はまだまだ続きますが、応援の程、よろしくお願いします。
最後に、わたしたちのスタンスが正しいということではなく、わたしたちの大切にしていること、どのような考えで、どのように進めているかについては、常に情報公開をしながら丁寧にすすめてまいります。
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