韓国 KBLファイナル視察
BリーグもB1のレギュラーシーズン終盤になっていますが、韓国に来ています。目的は、昨年のBリーグファイナルにご来場いただいたKBL キム総裁との約束を果たすこと。また、MOU締結後、両リーグの関係性は大きく前進していますが、この一年のレビューとこれからのことを事務局も一緒に打ち合わせをすること。
この2件なのですが、6月末で3年の任期満了になるキム総裁に感謝を伝えることも個人的に大きな意味合いがありました。
アリーナのある水原(スウォン)に向かい、試合前にランチミーティング。水原は、ソウルから車で40分ほど。人口は120万人、ソウルの前の首都があった場所で、日本で例えるなら京都。水原カルビが有名とのことで焼肉をいただきました。
ファイナルの初戦は、水原KT(スウォンKorea Telecom)
のホーム。元々、釜山がホームでしたが、練習拠点が水原にあったため、3年前にホーム移転。アリーナのキャパシティは、約3500人で決して大きくはありません。
今シーズンのプレイオフ進出チームは、
1.原州DB
2.昌原LG
3.水原KT
4.ソウルSK
5.釜山KCC
6.蔚山モービス
シーズン前は、釜山KCCが優勝候補(選手の補強が上手くいった&兵役終わりの代表クラスが揃ってる)でしたが、前半怪我人多数などで苦しみましたが、シーズン後半から尻上がりに良くなり、快進撃を続けてファイナルに進出。シーズン5位のチームが、ファイナルまで進むことはKBL史上初というアップセットとなりました。
ちなみに1位の原州DBは三河の中村選手が所属していたチームです。4位のソウルSKは、EASLで千葉ジェッツとファイナルで戦ったチームです。
◯KBLの基本情報
チーム数:10チーム
レギュラーシーズン:54試合
プレイオフ出場:6チーム(3戦先勝)
プレイオフもレギュラーシーズンもH&A
※ファイナルは4戦先勝
◯アリーナ情報
1番大きなアリーナはサムソンで1.2万人収容可能。
ファイナルの会場の水原KTが約3500人。釜山が約8000人。アリーナは3500〜4000人収容が平均的。平均入場者数はおよそ2,500人(平日約1500人〜2000人、土日で約3000人)
◯サラリーキャップ
サラリーキャップは、贅沢税を払えば上限を超えられるソフトキャップに変えたようです。KBLも日本人、フィリピン人のアジア枠があり、フィリピン人は全チームに1人づついます。来シーズン以降このサラリー枠を拡大するようなので日本人でチャレンジする選手もでて来るかもしれません。
ちなみに、
韓国人選手 今シーズン 28億ウォン(約3.3億円)来シーズン 29億ウォン(約3.4億円)
アジア枠選手 19.5万ドル→23.5万ドル
外国籍選手 70万ドル(2名で)契約更新すれば10%上乗せはOKとなるようです。
日本のルールに置き換えると、KBLのサラリーキャップは総額5億円くらいのイメージになるのかなと思います。
◯KBLのビジネス
リーグ興行は、オールスターとKBLカップのみ。
優勝チームが、次の年のKBLのタイトルスポンサーを引き受けるという名誉ある出費?システム?があるようです。面白いですね。
◯KBL放映権
放映権はSPOTVと5年契約を締結しています。KBLは無料配信しており、広告収入モデルのようです。しかし、ケーブル網がしっかりしてるのと、サブスク視聴に対してお金を払うという文化は根付いているようです。
◯コミッショナー(総裁)制度
3年毎に各チームの指名した方が就任するというシステム。6年前、このシステムを決めた時点でのKBLでの優勝回数の多いチームから順番に指名しています。釜山KCCが指名した人が、今のキム総裁となっています。この制度になる前は、政界から来ていましたが、発展性がなくこのシステムに変えたようです。6月の中旬頃、次の総裁が決定する予定です。
ユースの交流はうまく行き始めています。クラブ間の提携、プレシーズンなども順調です。来シーズンは、リーグ間のスタッフの人的交流などの検討もしていきます。両リーグの近況、EASL、代表、韓国でも話題となっている渡邊雄太選手の話まで及びました。
開始から両チーム一歩も譲らない展開。さすがはファイナルということもあり、熱く激しい試合となりました。前半こそ一点差で終えましたが、自力に勝る釜山KCCが後半からギアを上げてくると瞬く間にワンサイドの展開に。しかし、見応えのある試合でした。
KBLとは、良好な関係ですが、次の総裁が誰になろうとも続けていきたいと思います。そして、バスケだけではなく、日韓の良好な関係に少しでも繋がるアクションを続けていきます。
KBLの選手でBリーグでプレーしたいという選手もたくさんいるようです。楽しみです。