パリオリンピック 予選ラウンド第3戦 日本男子代表VSブラジル 「目標のベスト8は果たせませんでしたが、日本バスケの未来が明るいことを証明できた大会となったと思います。」
運命の第3戦目となりました。お互い3位、得失点があるので勝つだけではなく、引き離すことが至上命題なため、アグレッシブな試合になることはわかっていました。張り詰めた緊張感の中、試合は始まりました。
1Q。河村選手のスリー、ドライブからエナジー溢れる最高の試合の入りとなりましたが、ブラジルの巧みな攻撃に押し返される展開。この2試合、出場機会の少なかった馬場選手や富永選手を早いタイミングで投入。焦らず、ひとつひとつ大事にいきたいところ。20-31、11点ビハインドで2Qへ。
2Q。富樫選手、馬場選手、渡邊雄太選手のスリーで応酬。良い入りをしてくれました。一時大きく引き離されるも、じわじわと追い上げる展開が続きました。ブラジルのスリーが入りすぎているだけ、必ず後半追いつける!そういう雰囲気を残して44-55、変わらず11点ビハインドで後半へ。
3Q。大黒柱ジョシュ選手の3連続スリー、河村選手、渡邊選手、吉井選手の執念のポイントでクロスゲームに持ち込む。73-77、4点ビハインドで4Qへ。
4Q。早々またしてもジョシュ選手のスリーで26P目。残り6分11秒、日本がタイムアウトの時点で80-85。まだまだいける!と思いながら日本には厳しい時間と笛が続く。最後は、撃ち合いの末、流れを引き戻すことができず、84-102の19点差で敗戦。
男子日本代表のパリオリンピックは終わりました。ベスト8という目標は果たせませんでしたが、日本男子代表メンバー全員が弛まぬ努力と本気で勝ちにいってくれたおかげで、明らかに東京オリンピック時とは違い、世界との距離を縮めている、成長している姿を魅せてくれたと思います。
世界との雲泥の差があったのは、つい数年前までのことです。上海ワールドカップの絶望感、東京オリンピックの世界の壁の高さを痛感から、ようやく欧州勢にも勝利した歓喜の沖縄ワールドカップ。勝利を掴み取ることはできませんでしたが、フランスとも互角以上に渡り合うところまできました。全て現地で見届けてきた身としては、明らかに違う手応えがあります。
ここまでスタンダードをあげてくれたのは、間違いなく厳しくも愛のあるトムHC。河村選手や吉井選手は秘蔵っ子として大きく成長しました。ジョシュ選手のいない日本代表は想像できないほどの存在感。キャプテンとしてトムHCと二人三脚でコート内外でも存在感をみせてくれた富樫選手。全員を鼓舞し、魂のプレーを魅せ続けた渡邊雄太選手。長きにわたって日本代表の中心選手として活躍してきた比江島選手。
あげたらきりがありませんが、全ての選手のみならず、スタッフの皆さんの献身的な努力のおかげです。感謝しかありません、本当にお疲れ様でした。このメンバーは昨年から間違いなく日本バスケを一段も二段も押し上げてくれました。この流れを途切らすことなく、次の未来をどう作っていくのかが大切になります。
日本バスケの普及、育成、強化の質の向上と下支えするためのビジネスの強化。大きな絵を描くところと具体的な策と実行を長期的、短期的な視点でやるべきことをいかにやり続けることができるのかにかかっています。Bリーグとしても重要な役割を担っていますので、しっかり取り組んでまいります。
このオリンピックでも各国代表で活躍する選手もたくさんいる「りそなグループ Bリーグ 2024-25シーズン」を盛り上げていくことでこの流れを良き方向に繋げていきますので、各クラブ、選手たちの応援をよろしくお願いします。
また、日本からフランスまで応援にかけつけていただいた皆さま、本当にありがとうございました。選手たちも心強かったと思います。また、日本でテレビの前で応援いただいた皆さま、支えていただいたパートナー、メディアの皆さま、日本バスケをサポートいただいている全ての皆さまにも感謝申し上げます。
最後に、この数年間、リーグ戦、代表合宿、代表戦と死力を尽くしてきた日本男子代表選手、スタッフ全員に心からのリスペクトと感謝です。まずは、ゆっくり心身ともに休んでリフレッシュしてください。
いつか、この舞台で勝ってやる!と心に決めて日本女子代表のベルギー戦の応援をしたいと思います。