クラブのM&Aによる成長戦略を描くために、心得ておかなくてはならないこと
昨日、りそなグループBリーグ 2024-25シーズン(以下、今シーズン)よりBリーグパートナーになっていただきましたM&Aの仲介業務をされている株式会社ストライクさまに、クラブのM&Aについて勉強会をしていただきました。既にBリーグクラブのM&Aの実績も複数あり、非常に勉強になりました。Bリーグは、この数年相当数のM&Aがあり、オーナー変更が発生しました。
このM&Aを推進したのが、B.革新でありアリーナを含めたスポーツビジネスとしての期待感が高まったことが所以です。今後も売却だけでなく、買収も視野に入ってくるタイミングで各クラブにとっても学びの時間となったと思います。
数はまだ多くはないですが、買収からです。買収というと言葉が強いですが、事業継承含めてです。特に地方には経営者の高齢化、後継者不足により、廃業するよりは第三者に譲渡することを検討している企業は年々増加しています。地方にとっては、酪農やパン屋さんなどでも廃業した時の地元の皆さまに影響は大きいものです。
このような場合、特に本業であるスポーツビジネスと相乗効果のありそうな企業、事業ならば、引き受けていくことも地方創生を掲げているBリーグの力を発揮するところではないかと思っています。
もうひとつは、売却。こちらも実際は、クラブの成長戦略のための資本増強になります。全株、過半数、少数さまざまなケースがありますが、B.革新前に攻めの経営に舵をきるための経営判断が昨今のトレンドです。
単純に安定株主の誕生、多額のスポンサー収入を期待という都合の良い話では成就しにくい現実もあります。経営基盤がしっかりしている企業が過半数を握るオーナーになると、経営管理体制が強化されます。また、人材不足面でも支援していただける、借入なども信用力が高まるためし易くなります。なんと言っても資本投下資金を得ることで、攻めの投資が可能になります。
クラブ側からすれば良いことが多いですが、オーナーからのスポンサーに過度に依存するようだと難航することは知っておくべきです。決してNOではなく、事業計画を策定して、このような成長戦略を描いているから資本増強、何年間はスポンサーをこのくらいお願いして、何年目からは減少に転じていく…などを明確にしていくことが大切だと思います。
経営者、スタッフの力量、新アリーナの可能性、現在の財務状況、売上構成のスポンサー比率(チケット・ファンクラブ・グッズ収入比率が高いクラブは、価値も高い)、一部のスポンサーへの依存度…様々な角度から買い手は吟味します。当然、リスクの高いクラブだと買い手は付きずらく、付いてもかなりの割安になります。
つまり、スポーツクラブとして健全経営と周辺整備を日頃からすることでバリエーションと呼ばれる価値が高まります。つまり、売る、売らないではなく決算上も含み益があり(黒字体質)、アリーナなどの周辺価値(何年後に建設予定があるなど)で未来収益も読みやすくなります。最後に、Bリーグ自体が成長することでプラスの価値をアドオンすることで流動性、企業価値としても高い状況を日頃から目指すことを助けていきたいです。
こちらも手前味噌ですが、B.革新で大切にしているクラブの健全性と成長性、アリーナ戦略、Bリーグのメジャー化なんです。経営としてしっかりした状態が出来れば社会的評価、更なる投資を呼び込み、成長していくでしょう。その時に恩恵を受けるのは、選手、スタッフ、ファン含めて、Bリーグに関わる全ての皆さまになると信じています。