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春という季節

最近の外はすっかり春らしく。
『四季がある』というだけで日本という国に生まれて良かったと思う。
花粉は相変わらず厳しいけど

春は、暖かくて、綺麗で、一見明るくて活気に溢れているようで、切なさとかちょっとした苦さを含んでいる気がします。
それは、春は別れの季節でもあるから。


iPodで聴いた平成の音楽

これは、自分が中学3年生の時の話である。
中学生の頃の自分はスマホやパソコンを持つ権利は無く、唯一許された電子機器はiPod nanoという音楽専門のiPodでした。姉はウォークマン派。
そのころは自分でCDアルバムをあまり買ったことが無く、姉や父が家のパソコンに取り込んだ曲を勝手に自分のiPodに同期させるという事をしていた。(その時は同期がバレるとなぜか姉にパクるなとキレられていた)
そのため自分の聞きたい曲を聞くというより、姉や父が聴いている曲を仕方なく聴くという感じで。
ただ、当時はそんなに嫌々ってこともなく意外と聴いてみると自分も好きになってしまうみたいな曲もあった。

その中で衝撃的だったアーティストの1つが『teto』である。

teen age/teto

特に影響を受けた曲は『teenage』でした。
当たり前にティーンエイジャーだった自分はまず題名に惹かれた。
曲が始まると聞いたことのないようなワルツで一気に世界に引き込まれたのを覚えている。(ピアノを少し習っていた時の「ズンチャッチャズンチャッチャはワルツ」を辛うじて覚えていた)

この曲の歌詞に注目してほしい

図書館を越えて 横道を抜けて
そびえ立った大木が僕に覆い被ったときに
いつか並んで自販機で買ったレモネードの味を思い出した
渡す筈の11桁や 泣かす筈の寸劇や
笑い声や 電車の音や
駅南の土管や醜い罪悪感さえも
忘れもしない あの校舎の匂い

teen ageより(一部抜粋)

その頃は歌詞が表示されるなんて便利な機能は無く、おまけに自分には調べる媒体が家族共有のパソコンしかなかった。ただ、所々で聞こえてくる単語が好きで歌うつもりもないのに必死に聞き取ってメモを取っていた。(だからつい最近まで「忘れはしない」だと思っていました)

自分が住んでいた街には電車の音もしないし、駅南に土管は存在しないし、自販機でレモネードを買ったことも無かった。
しかし、中学3年生の僕の心のこれからに向けたワクワクの中のほんの少しの切なさを拡大して歌ってくれたように感じて、この曲を耳にちゃんとはまらない有線イヤホンで聞きまくっていたのだ。

僕だけの卒業前夜戦記

卒業式前日。
放課後一回家に帰ったあとこっそり学校に行った。
職員室の先生に忘れ物を取りに来ました取ったらすぐ帰りますと言って、あとは帰らずに作業をするだけ。(先生の皆さんごめんなさい)
その時の自分が表現したいことを全て学年の友達全員に向けて発信しようと思い、暗くなった教室に1人忍び込んで汚い字で自分で作った詩を書いた。

誰にも内緒にしていたがtetoの『渡す筈の11桁や~電車の音や』など「~や」を羅列する構文が中3の自分には刺さってしまって、それをパクった。
自分が忘れたくないと思ってた瞬間を同じように羅列したのだ。
もちろん少年の浅はかな卒業前夜作戦は失敗に終わった。
見回りに来た先生に見つかり、後一日で卒業だというのに怒鳴られたのを覚えている。笑ってくれていた先生もいたけれど。

残りは家で完成させた。
初めから家で良かったはず、でも今でも学校に行ったのは後悔していない。あの最後の空間に少しでもいたかったのかも。

書いた詩は、朝一番で誰にもばれないように張ってやろうと意気込んでいたが、やっぱり行事の日めちゃくちゃ早く来る奴とかには敵わず、結局友達に手伝ってもらいながら掲示した。

掲示した詩のメモは今も残っているので記録として

思えば3年前も僕達は、あの正門を通った。
何気ない日々は瞬く間に過ぎていき、ついに旅立つときがきてしまった
たくさんの仲間をつくり、たくさんの思い出をつくった。
輝く思い出はきっと忘れることはないだろう。
みんなの笑った顔も、くしゃくしゃになった泣き顔も、
あの嬉し涙も、悔し涙も、みんなで眺めた夕焼けも、
大声を出した日々や、叱られた教室、
あの日の円陣や仲間の声さえも、僕達は忘れはしない。
これからは別々の道を歩んでいく。
ふりかえれば目もくらむような過去の思い出。
前には今日晴れていても、明日雨が降るかもしれないような毎日。
それでも前にすすみつづけよう。いつかまた光がみえると信じて。
別々でも僕達はずっとつながっている。
ぼくらは、この校舎での思い出を胸に、また新たな道を歩みだす。
いつかまた会おう。

結局何が伝えたいのか分からないけど、当時の自分はとにかく全て忘れたくなかった。
家で泣きながら書いて習字の文字がにじんでた。
誰も見ていなかったかも。ただの自己満足だった。
ただただ一方的にみんなへの手紙を書いたのだ。
卒業式当日保護者の方々も教室に来ることを完全に忘れていて、友達の親に見られて恥ずかしかったのは覚えている。

春という季節

スマホも無かった。SNSも知らなかった。
けれど本当につながっていると信じていた。
ずっと大人にならないと思っていた。
その頃は、その時がどれだけ大事な瞬間か知らなかった。
大切なことは後から気づく。
でもそんな大切な時が自分にもあった。
思いっきりその頃の自分を表現しといて良かった。
絶対に忘れ「は」しないから。

春はやっぱり素敵な季節だと思います。
人生は出会いと別れ。別れの次の素敵な出会いをくれる季節でもある。
別れと出会い、希望と切なさ、両方感じさせてくれるから好きだ。
花粉だけはきつい

話があっちゃこっちゃいってしまいましたが、tetoは改名して無くなってしまいましたが、好きなバンドです。「時代」とか「拝啓」とか好きです。
いつか作った「春」のプレイリストからtetoが流れてきたので春の思い出をただ書きました。
読みづらい文、読んでくれてありがとうございます。


汚い字

昔の人曰く、春はあけぼの、らしいんで
春は早寝早起き頑張ります。


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