#絵本未満・・・、「れおくんのともだち」④
#チャレンジ・・・ 、「れおくんのともだち」④
昼からは、図工の時間。
れおくんは、図工の時間が大好きだった。
きょうは、「日曜日のおもいで。」を描く時間。
れおくんは、おじいちゃん、おばあちゃんと出かけた水族館の絵を描くことにした。
なかでも、れおくんが好きだったのは、クラゲだった。
透明でキラキラ光って、うっとり見つめていると、れおくんは自分も、水槽のなかに浮かんでいるようだった。
「これは、れおクラゲ。1番大きくて強いんだ。隣は、大ちゃんクラゲ。青くてピカピカ光ってきれいでしょ。むこうにいるのは、おじいちゃんクラゲとおばあちゃんクラゲ。」
れおくんは、ブツブツひとりごとを言いながら夢中で、クラゲを何匹も、何匹も描いた。
「のぞむくんクラゲ。らいくんクラゲ。ゆずちゃんクラゲ。」
クラゲに1匹づつ、名前をつけながら、うたうように描いた。
「きょうは、これで終わりにしましょう。」
先生の声がした。
みんなは、帰りの会の準備を始めた。
れおくんは、まだひとり、クラゲの絵を描いていた。
画用紙から、はみ出すくらい、いっぱいのクラゲ。
「フワフワ、フワフワ。気持ちがいいなぁ。」
「キラキラ、キラキラ。きれいだなぁ。」
れおくんのこころは、クラゲになった。
(つづく)
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