#絵本未満・・・、「れおくんのともだち」⑦
#チャレンジ・・・ 、「れおくんのともだち」⑦
しばらく歩いていくと、スーパーマーケットの近くに、春陽公園が見えてきた。
この公園は、毎週火曜・木曜・土曜日は、プレイパークになっていて、いろんなことをして遊べる。
きょうは、ちょうどその日だ。
れおくんの楽しみは、たき火だった。
公園に落ちている枯れ葉を集めて、火おこしの道具を使って火をおこし、たき火をする。
小さな穴の開いた木の土台に、ひものついた棒をくるくる回して、火をおこす。
これが、なかなかむずかしい。
でも、れおくんは、根気よく、何度も何度も、棒を回して火をおこした。
細かい木くずに、「ふぅう。」と息をふきかけると、小さな炎がくすぶりながら、燃え上がった。
「やったぁ。」
れおくんは、真っ赤になった両手をふりあげて、バンザイをした。
おまけに、きょうは、焼き芋名人のおじさんたちもいて、おいしく焼けた焼き芋を口いっぱい、ほおばった。
たき火を囲んで食べる焼き芋は、ちょっぴり焦げていたけれど、甘くて、とてもおいしかった。
スーパーマーケットで買い物をして帰ると、もう5時を過ぎていた。
れおくんたちが、夕食のハンバーグの支度にとりかかるころ、おとうさんとお姉ちゃんも帰ってきた。
涙目になりながら、玉ねぎのみじん切りをして、フライパンで炒めて、冷まして、お肉とまぜて。
ハンバーグは、れおくんの得意料理だった。
「れおの作るハンバーグは、世界一だな。」
おとうさんは、アツアツのハンバーグをおいしそうにほおばりながら言った。
れおくんも、しほちゃんも、お姉ちゃんも、きょうあった出来事を口々に話しながら囲む食卓は、とてもにぎやかだ。
(つづく)