もう、会いたくない
先日、旧まー(10年想い続けた人)の妹がわたしのカフェに来た。お兄ちゃんにタイヤ交換をしてもらってる間に、お兄ちゃんへの想いを終わらせた後、どうなったのか?気になって様子を聞きに来たのだ。わたしに彼が出来たことは知っていたから、結婚するの?とか、どんな人?とか話を聞いているような聞いていないような、上の空のような感じもあった。せっかくお店があるのだからここでしたらいいのに…って言うけど、旧まーが気にしてるからここではしない方がいいと言っておいた。「支払いはお兄ちゃんが後で持ってくる」とのことで、また夕方に旧まーが持ってきた。「また来るわー!」と手を挙げて帰って行ったからなのか?次の休みにお母さんも一緒に来た。旧まーのお母さんとは極力顔を合わせたくない。表情も声のトーンも下がる。
旧まーは新まー(今彼)が誰かに似てるって思って…誰かなぁ?って思ったら、自分の会社の社長に似てると、ハッと気付いたらしい。そして写真を見せてくれた。パッと見て似てて笑えた。あとは、25年やってるサーフィンで、新たな発見があったと報告してくれた。こういう話は何の感情もなく話せる。けれど、わたしの紹介で買った船の名前「いいなぎ丸」が近所のおっちゃんたちに不評で、自分の名前と奥さんの名前から一字ずつ入れた名前に変えようかなぁって考えてるって話を聞いたときは、旧まーを想っていた頃の感情を思い出して胸が痛くなった。そしてお母さんも「美味しかった!○○ちゃん」って、嫁の名前と間違えて言う。
もう、そのドラマは演じたくない。
もう会いたくない!
スッキリきれいに終わりにしたい。
そう思いました。
カフェの営業もボロボロ。旧まーを想うことをやめてからは、カフェをする意味をなくして売上も低迷。移動カフェで天気にも恵まれなかったし、わたしがコロナだと噂を流す人や備品を壊されるなどの嫌がらせもたくさんあった。店舗での営業も土日も人が来ない。人が来なければドリップバックを作ったり、編み物したり昼寝したり、すごく充実して楽しい。けれど収入がなければ支払いができない。
お客さんが来ないとなると、辞めても問題ないよねって気持ちになる。5月から今まで、やりたくないやりたくないって思いながらも頑張って来たんだから、もういいじゃないか?って。新まーも同意してくれて、じゃぁ新まーのところに行ったら何しようか?って話になった。
新まーは、四つ星旅館で総料理長をしている。今の季節はカニで忙しく、疲れが目に出たりギックリ腰をしたりしてる。足も静脈が浮いて血管がボコボコ。わたしは以前、リラクゼーションの仕事をしていたことがあるし、自分でオイルマッサージをしていたこたもあって、それを新まーにしてあげた。
オイルマッサージが初めての新まーは、すぐに足が軽くなるのを体感した。脚のリンパは詰まっているようで、少し強く流すと痛がる。「ひとみさん好きやでーーー!」って叫ぶから何かと思ったら、痛いことされても好きだっていう意味だって。笑
こないだのギックリ腰は、ひとまず手を当ててあげた。レイキヒーラーでもあるので何かなるかな?と思って。手を当てている間は楽だと言っていた。動けないほどではなかったけどひどくもならず、4日くらいで治った。
脚の血管の浮きも目立たない状態を保っている。
そして一週間に一度のオイルマッサージで身体が保てている。
新まーの旅館にはリラクゼーションルームがある。使っていた人が最近辞めて空いていると言う。こないだ展望風呂に入らせてもらった時にその部屋を見せてくれた。高級旅館だけあって設備はバッチリ。こんなところで施術できたらいいなぁと想像した。一日に一人か二人出来たら楽に収入になるし、予約がある時だけ行けばいいから家のことが出来る。新まーの家から旅館までは車で2〜3分。とても都合がいい。
新まーがすぐに支配人に問い合わせてくれて、話を進めているところ。
カフェを辞めるとなると、借りているこのお店はどうするのか?借金をして改修したので返済が続く。10年ローンで繰り上げ返済が出来ない契約。家主に返したら返済だけ続くことになる。
レンタルカフェとして誰か、借りてくれる人が居るといいな…。できれば長く使ってくれる人…。わたしみたいに途中で嫁に行ったりしない、若くて元気な人。
そう思っていたら、地区で活性化の集まりがあるから、今やってることを発表してほしいとの依頼が来た。春にやめるのにいいの⁈って聞いたけど、是非わたしに出て欲しいと言う。主催の環境庁の人もわたしが出ることを聞いて「この会をやる意味がある!」って喜んでいたそう。「?」だった。その会が今月初めにあって、今やっているカフェのことと春に引っ越すから誰か借りてくれる人を探していることを話した。
そしたら!その会が終わったら二人の人が話しかけてきた。そして後日お店に来てくださり家賃を言うと「是非、貸してください!」と即決だった。わたしは今の家賃に返済額を上乗せした金額を提示した。家賃が格安なので上乗せしても割と安い家賃だし営業許可もある。ひと通りの設備が揃っている。
借りたいと申し出た人は福祉施設をやっている人でした。障がいがある人の作業所。障がいがある人の仕事というのは、内職や窓拭き、草取りなど。単価が安くてひと月の給料が9000円ほどにしかならないそう。自分たちで何か生み出して、仕事の単価を上げていきたいと話しておられました。
そんな話が進みながら、同じムラで来年3月にカフェを始める人がわたしのコーヒーをカフェで扱いたいと申し出てきた。わたしが引っ越しても送ってほしいと…。
新まーの家には昔、両親がやっていた喫茶店の建物がある。お義父さんが自分で建てたコンクリート造り。そこを片付けて焙煎の工房にするか、カフェするか?っていう案もあって、中を見せてもらった。ものすごく個性的な間取りで、生きていたら質問したいことがたくさん!でももう、古いものをキレイにするとかいうのは、今のカフェで疲れきってやる気が出ない。新まーも潰した方がいいって言う。それに甘いものとコーヒーで体調も良くないし、もうコーヒーから離れたいと思っているのだ。
コーヒーから離れたいのなら、レンタルカフェに入る人に受け継いでもらったらいいんじゃ?って思って話を持ちかけました。福祉施設の作業所の人もコーヒーが好きで焙煎習いたいって言ってたし、わたしと新まーで作ったドリップバックを作る作業は、今やってる内職より単価が上がるはず…。売上から少し手数料をもらえたらお互いに利益になる。注文が入ったものは作業所にお願いすることになった。そうなると、同じムラでカフェを始める人も近くで購入できる。すごくいい流れ。
「もう会いたくない」からのエネルギーの転換。
5〜6年前、
"「成功者」というのは、人にチャンスを与えられる人だ"
という言葉を聞いて、そんな人になりたいと願ったことが叶う。
これからまだ移動カフェの車の展開もある。そしてわたしたちがどんな風に過ごして、何を始めるのか?すごく楽しみ。