「なぜ10YCを着続けちゃうのか」ユーザーから見る「ブランドの愛され方」
どうも10YCです。
今回は9/5に配信した10YC Podcast#10の書き起こしを公開。
第10回は10YCユーザーでもある、シーシャカフェいわしくらぶ店主の磯川 大地さんをゲストに呼んでの開催です。
10YC Podcast #10 「なぜ10YCを着続けちゃうのか」ユーザーから見る「ブランドの愛され方」
話し手:磯川 大地(いわしくらぶ)、下田将太(10YC)、岡山史興(70seeds)
聴きながら読んでもいいし、聴けない人は書き起こしだけ読んでもいいね。
それではどうぞ!
過去の回はこちら >
#1「10年選手になる洋服とは?」
#2「わかりやすいだけがデザインなのか?」
#3「束縛しない。自由でいい。人見知り10YCのユーザーとの付き合い方。」
#4 「作っているのは「服」じゃなくて「生活」。10YCが考える洋服の価値。」
#5「キラープロダクトはなぜ生まれたか?」
#6「“お金”と“暮らし”のはなし」
#7「10年後、あの角のたばこ屋さんになりたい。」
#8「『好み』の違う僕らが、ひとつのモノを作るまで」
#9「『まずは自分たち』をブラさない、10YCのものづくり」
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下田「はい、10YCポッドキャスト、今日もお送りしていきます。10YCの下田です。引き続き、パーソナリティーの70seedsの岡山さんです。よろしくお願いします!」
岡山「よろしくお願いしまーす!」
下田「前回10YCの後 (うしろ) を呼んで、ものづくりの回を喋ってきましたけれども、10YCがものづくりしたあとの流れに気付いたことがあって。あのときも話してましたけど、『自分たちはユーザーであり、自分たちのために一番いいものを作る』みたいな話から、最初は商品を作って新商品として発売するんだけど、発売が終わったあとはどっちかっていうとユーザーさんと改善していくようなイメージがあって、一気にみんなのものになっていくなぁっていう気がしてて。そういうことをちょっと話したいなと思ったんですよね。」
岡山「そうですね、『自分たちの欲しいものを作る』っていうと、そこで完結してるようなイメージがあるし、『お客さんを巻き込んで作る』っていう考え方だと、逆に自分たちの軸があんまり商品に反映されないのかなぁ、みたいな感じ方をすることもあって。最初の在り方と、途中からの巻き込み方みたいな話が出たのは、なるほどなと思いました。」
下田「よかったです。今日はそういうところをユーザーさんも交えて、話していけたらいいなと思っているので。今日はね、ゲスト、10YCヘビーユーザーの磯川さんに来ていただきました。よろしくお願いします。」
下田「磯川さんはどんな方でしたっけ?」
磯川「はい、磯川大地、31歳、会社を経営しております。北海道と東京、富山で『シーシャカフェいわしくらぶ』というカフェを3店舗経営してまして、かれこれ8年ぐらい経つと。で、10YCとは2年ぐらい前に出会ったのかな?」
下田「そうですね、もともと友人に紹介をしてもらって、みたいな感じでしたね。2年ぐらい前に。」
磯川「そうだね。出会ってからすっかりはまっちゃって、もう。だいたい10YCです。」
岡山「よろしくお願いします。磯川さんって、最初に買ったのは10YCのTシャツですか?」
磯川「Tシャツですね、やっぱり。肌触りがもう1回触ったらね、『あ、これは着なきゃ』、みたいになっちゃって。それからまずはTシャツの虜になりましたね。たぶん10枚ぐらい持ってるんじゃないかなぁ、どうだろうねぇ。」
下田「そうですよねぇ。」
岡山「去年の10YC北海道ツアーでは、磯川さんの経営するカフェに行ったり、シーシャカフェをポップアップ会場にしたりしましたもんね。」
磯川「そうそう。うちのお店のスタッフTシャツも、10YCで作ってもらってるんですよ。」
下田「うんうん。」
岡山「下田さんの入りのときの話、『最初に欲しいものを作って、そこから巻き込んでいく、お客さんの声が反映されていく』みたいな話でいうと、例えば、磯川さんとの会話の中で気付かされたこととか、商品について改めて発見したことがあったりするんですか?」
下田「磯川さんとは、商品の個々のディテールの話とかではなくて、もっとブランド的にこう見せたらいいよね、みたいな話を結構します。ユーザーさんは何に興味を持ってるかとか、どういうところに魅力を感じて物を買ってるか、みたいなところを、1ユーザーの意見としても、1個会社を経営してる人として聞いてみることはよくありますね。」
岡山「なるほど。経営者としてもやっぱり参考になるところがあるんですか。」
下田「そうですね、磯川さんがつくるシーシャカフェの雰囲気が良くて。シーシャってどっちかっていうとアングラなイメージがあって、僕みたいな真面目で優等生キャラはなかなか近づけない場所ではあるんですけど。そんな感じを消して、フランクにシーシャを楽しめる場所を作りあげてるんですよね。で、そこにやっぱり人が溜まってるし、いつ来ても常連のお客さんがいるみたいな感じで。
10YCも新しい人に買ってもらうことも大切だけど、やっぱり買ってもらった人に気に入ってもらって、長いスパンで付き合っていけるブランドになれたらいいなって思いもあって。そういう話をすることが多いっていう感じですかね。」
岡山「なるほど。下田さんみたいな『真面目で、優等生的な、世の中のレールに沿って生きて来たような人でも入れるシーシャカフェ』っていうのは、磯川さん的にはそういう、『アングラな感じの一般的なシーシャカフェじゃない場を作りたい』ってイメージがあったんですか?」
磯川「そもそもシーシャカフェを作りたいと思ってカフェを始めたっていうよりは、原体験として僕自身が、街の喫茶店ととか、本屋さんとか、いろんなお店やってる人たちに育てられたんですよね、社会人になるちょっと前ぐらいから。だから、街に対して開かれた場所でありたいなって。もうちょっとオープンな、いろんな人を受け入れられる場でありたいなっていうのがやっぱりあって。そうなると必然的にそういう雰囲気になったっていう感じではあるんですけどね。」
岡山「なるほど。以前の10YCのポッドキャストで、『10年後、あの街の角のタバコ屋さんになりたい』みたいな回があったんですけど、そういう感覚ってお2人結構近いのかもしれないですね。」
磯川「あーなるほどなぁ。」
下田「うんうん。」
岡山「街の風景になじむ場所になるみたいな感覚。」
下田「それはめっちゃ持ってますね。磯川さんの影響なのかな。確かにそこらへんが合うのかもしれませんね。話してて、『あーわかる―』ってことが結構多かったりするんで。」
岡山「なるほど。磯川さん、そういうのを商品からも感じました?Tシャツの他にもスウェットとか、着てます?」
磯川「着てますね。スウェットも、3着ぐらい持ってるかな。」
下田「なんで10YCの商品を買うんでしょうか?着心地がいいから?」
磯川「10YCってデザイン的には、なんていうんだろう、シンプルっていうか、ノームコアというか。だって、自分たちのロゴすら裏に入れてるじゃないですか。僕はあれ、すごいいいなぁって思ってて。それってある種、開いてるんだと思うんですよね。」
下田「おぉ。」
磯川「要するに、ロゴが表に出てないことが、その服を着たい人たちにとって着やすくさせてることもあるなぁって思っていて。だから、例えばですけど、いわしくらぶの思想でアパレルを作るとしたら、たぶん僕もロゴは伏せると思うんですよね。『アングラ感を出さないシーシャカフェ』っていうのと同じような感じで、『ロゴを表に出さないアパレルメーカー』みたいなのは、割とそこのところは共通してるのかなっていう気はするんですけどね。余白があるというか。」
岡山「なるほどね。余白もそうだし、今の話を聞いてて思ったのは、『こうだよね』とか、『こうあるべき』みたいなところを敢えてなくしてるのかなっていう。シーシャカフェの『危ない雰囲気を楽しみたい』みたいなのがないし、アパレルで言えば『ロゴで何を着てるかがパッとわかるのがいいよね』っていうのがない、みたいな。」
下田「ロゴを付けることによって、めちゃくちゃ愛着が湧くこともあると思うんですけど。『このブランドを着てる』みたいな。でも、それが一時的になってしまう可能性がすごくあると思ってて。10YCに飽きたらその服って着なくなっちゃうじゃないですか。だから、できるだけ『着て終わり』っていう要素を作らない、みたいなことを考えたりしますね。」
磯川「そう、ロゴがないから『これ自分の服』って意識になっちゃうんですよね。」
下田「あー、面白いな。」
磯川「確かにね、憧れのブランドの目立つロゴは購買のときにフックにはなり得るんだけど。なんていうんだろう、気が付いたら足かせになってるというか。」
岡山「なるほどねぇ。まぁ、ロゴに限らずですよね、たぶん。『バスクシャツの形が…』とか、『こういう切り替えしをしてるの、あのブランドだよね?』みたいな。確かに、ブランドに飽きたらその服着なくなっちゃいますもんね。」
磯川「そうそう。」
下田「でも、『それ、どこの服なの?』って聞いてもらわないと、広まっていかないっていうアパレルブランドのジレンマもあるわけじゃないですか。無地のTシャツ着てたところで、ユニクロか無印か、10YCか、どこか分からないから。そうなると、やっぱりロゴつけた方がいいし、わかりやすい見た目で表現していった方がいい、みたいになってくるのかなぁとは思いますけどね。」
岡山「なるほどね。そっか、あぁ、あぁ、なんか今わかりましたよ。あのー…10YCに飽きても、10YCのTシャツは着続けると思うんですよね。『10YCを着ようと思わなくても10YCの服は着る』し、『シーシャに飽きても、いわしくらぶには行き続ける』みたいな。なんかそんな感じあるのかなと思って。」
下田「あー、確かにあるかも。」
磯川「なるほどなるほど。」
岡山「プロダクトとブランドの関係性はちょっと逆かもしれないんだけど、そこにある考え方とか、お客さんの愛し方、関わり方はなんとなく近いのかなっていうのが、今ので見えたような。」
下田「いわしくらぶがホットドックやってても、関係ないですもんね。シーシャなくても別に、行くよ?みたいな感じありますもんね。」
岡山「逆に、磯川さんから、家でシーシャ吸えるようにセットを買ったんですけど、まぁ家で吸いにくいっていうのもありますけど、やっぱりいわしくらぶに行ってた頃に比べると全然、吸う頻度低いですもんね。だからシーシャを求めてたわけじゃなくて、あの空間を求めてたんだなって。」
磯川「あーなるほど。」
岡山「これは面白いな、と思いましたね。逆に磯川さんは、10YCを着る前はどういうブランドを好んで着てたんですか?」
磯川「ラルフローレンとか、アバクロとか。下着類はユニクロで補いつつ、上物はそういうブランドで埋めてましたかねぇ。」
下田「それはなんで?ブランドが好きだったからですか?」
磯川「それがねぇ、違うんです。僕がお世話になってた喫茶店のマスターの友達が、僕の地元の北見で小さいセレクトショップやってて。アメリカに年に4,5回ぐらい通ってアウトレット商品を仕入れて売ってるショップがあったんですよ。そのおじさんのお店で買うって決めてたんで。そのおじさんのお店のサイズが合うやつを着てたんですよね。」
下田「人のつながりで買ってた感じだ。」
磯川「そうそう。まぁ単純にラルフとかアバクロも好きでしたけどね。アバクロも裏のスウェットの地が柔らかかったりするんで、裏起毛みたいなやつで。ふわふわしてるっていうか、毛布みたいな肌触りがあるんですよ。」
岡山「その辺は10YCのスウェットとも、ちょっと通じるところがあるんですねぇ。」
磯川「あるかもしれないですねぇ。」
岡山「そういう製品のところもありつつ、でもやっぱり大事なのは『誰から買うか』みたいなところだったっていう。」
磯川「そうですね。」
下田「確かに、『誰から買うか』みたいなのって最近やっぱり大事にしてやってるような気がするなぁ、自分の中でも。」
岡山「下田さんも。」
下田「僕も。そういう人が周りに増えてきたからかもしれないけど。買うんだったらこっちで買おう、みたいな風にすごくなってきてるような気はするなぁ。」
岡山「今回、磯川さんには10YCユーザーとして話を伺ってるんですけど、下田さんがお客さんの立場になったときの、ブランドとの関わり方の感覚も、ちょっと聞いてみたいですね。」
下田「あーいいですねぇ。磯川さんにも聞きながら。」
岡山「その辺も含めて、次は『コミュニティ』っていう考え方で、お客さんとブランドとの関わりを2人に聞いていってみたいなと思います。」
下田「はい、よろしくお願いします。ということでね、はい、ポッドキャスト収録でした(笑)また次回もよろしくお願いします。」
岡山「よろしくお願いしまーす。」
下田「いわしくらぶの磯川さんと70seedsの岡山さんでしたー。また次回、よろしくお願いします。」
磯川「ありがとうございまーす。」
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