40代からでも成長できる?大人の「成人発達学」について
「40代以降でも人は成長できるのか?」これは多くの大人が抱く疑問です。
結論としては「YES」ですが、成長にはある条件が伴います。40代以降の成長は、身体的な領域での発展が難しくなる反面、心や知性の分野においては引き続き成長が可能です。しかし、成長の速度は若い頃よりもゆっくりで、複雑な課題に取り組むためには時間がかかるのが現実です。
ハーバード大学の研究によると、子どもだけでなく大人も停滞や後退を経験するものの、その後に「跳躍」が訪れることがあるとされています。停滞を恐れることなく、学び続ける姿勢が大切な点です。
成人発達学において重要視されるのが「視点取得能力」です。これは他者の感情や立場を理解し、自分自身の考えや行動に取り入れる力のこと。たとえば、職場での人間関係においても、この視点取得能力が求められます。
成人発達理論では、人は成長段階に応じて異なる視点を持つとされています。例えば、利己的な視点を持つ段階(発達段階2)から、周囲の期待に応じる段階(発達段階3)、そして自己主導型の段階(発達段階4)と進みます。日本企業でも、課長や部長クラスには発達段階4以上が求められ、役員クラスはさらに高い段階が期待されます。組織を率いるには他者依存を脱し、独自の価値観で判断できることが求められます。これらの成長は今自分がどの段階にいるかを把握し、上の段階へと進むことが重要です。
アメリカでは「インテグラル理論」という統合的な枠組みが成人発達理論に取り入れられています。個人の成長を多角的にマッピングするこの理論に基づき、リーダーには物事を多面的に捉える「複雑な思考力」が求められます。例えば、アメリカ大統領の分析によると、トランプ元大統領は線形的思考とされる一方、オバマ元大統領はシステム全体を捉えられると評価されました。
年齢を重ねると、身体的な成長は難しくなりますが、知性や心の成長は生涯続きます。自己の成長を求めるなら、視点取得能力を磨き、他者の立場を理解することが重要です。また、今の自分の発達段階を理解し、それに見合った課題に取り組むことが、成長を加速させる鍵です。自分の「器」を広げ、主体的に人生を楽しむために、自分が何を楽しいと感じるのか、改めて見つめ直してみましょう。