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余剰カロリーと炎症:座り過ぎが体に与える負担

現代社会では、多くの人が座って過ごすことが増えていますが、狩猟民族と比べるとその活動量の違いは驚くべきものです。狩猟民族は、会社員の1週間分に相当する距離をたった1日で移動します。それにもかかわらず、消費カロリーはほぼ同じで、女性の場合は約1,900kcal、男性の場合は約2,600kcalとされています。このことから、消費カロリーとライフスタイルにはあまり強い関連性がないことがわかります。

さらに、運動習慣があるかどうかによるカロリー消費の差は100kcal程度に過ぎませんでした。筋肉を増やすことで消費エネルギーは増加しますが、体重1kgあたりのカロリー消費量は一定に保たれます。

例えば、朝のランニングを始めた場合、無意識に他の活動を減らすことで、体はエネルギーを節約しようとします。エレベーターを使ったり、座って過ごす時間が増えたり、睡眠時間が長くなることもあります。

では余ったエネルギーはどこに使われるのでしょうか?

体は、可能な限り余剰エネルギーを使おうとし、闘う細胞や伝達物質、体液を組織に送り込みます。しかし、過剰なエネルギーが体内に残ると、これが慢性化し、炎症を引き起こします。慢性的な炎症は、ガンや心不全などの深刻な病気の原因となることが知られています。免疫システムが適切に機能していれば炎症は効率的に解消されますが、余剰カロリーが多い場合、炎症が長引いてしまうのです。

もう一つの影響は、過剰なホルモン分泌です。特に、ストレスホルモンであるコルチゾールは、過剰なストレスを引き起こし、健康に悪影響を与えます。先祖たちは突発的な危険に対処するためにコルチゾールを使いましたが、現代人は日常的に高いストレスを抱えることで、このホルモンが過剰に分泌されてしまいます。

運動はカロリー消費のためだけではなく、体内のバランスを保つためにも重要です。慢性的な炎症やストレスを軽減し、心臓の健康を維持し、人生の質を向上させるために、運動習慣を取り入れることが推奨されます。


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