瞬時に消費されるコンテンツ
新海誠さんの作品は、現代社会における人間の生きづらさを巧みに表現し、時には希死念慮さえも描くことで観る者の心に深く刺さるものがあります。しかし、彼の作品も時代と共に古びていく運命にあります。新しい世代は生まれた時から接しているコンテンツに影響を受けるため、やがて新海誠やジブリ作品も明治時代の講談のように過去のものとして扱われるかもしれません。エンタメは常にアップデートされ、次々と新しい波が押し寄せてきます。
現代のコンテンツ消費は、AIによるパターン生成やアルゴリズムによって、どんどん効率化されています。ヒット作は必ずしもクリエイターの努力だけではなく、偶然や流行が影響することも多いです。AIが生成する無数の選択肢の中で、どれが選ばれるかは、もはや運次第とも言えます。その結果、クリエイティブな人間であっても、AIに押しつぶされる可能性が出てくるのです。
現代のコンテンツは急速に消費され、忘れ去られていきます。そのため、コンテンツの供給速度や消費方法も変わってきました。30分のアニメではなく、7分や3分の短いコンテンツが求められる時代になっています。こうした風化に耐えるためには、常に新しい形での再発信が必要です。
結局、人間は多くのことを覚えることができません。だからこそ、昔の作品を言い換えたり、再放送をしても人々は覚えていません。新しいコンテンツを作らなくても、人々の記憶の風化に合わせて、アップデートしていけばいいのです。
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