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最後通牒ゲームが示す現代ネット社会の理解

最後通牒ゲームというのを知り、現代のネット社会を少し理解できた気がしました。このゲームは、2人のプレイヤーを「提案者」と「応答者」に分けて行うシンプルな実験です。ルールは以下の通りです。

  1. 提案者の役割: 提案者は、一定の金額をどのように分けるかを決定し、その分配案を応答者に提示します。

  2. 応答者の役割: 応答者は、提案者が提示した分配案を受け入れるか拒否するかを選択できます。

    • 受け入れる場合: 提案された分配に従って、両者がその金額を受け取ります。

    • 拒否する場合: 両者とも報酬を一切受け取れません。

例えば、提案者が1万円を5000円ずつに分ける提案をした場合、応答者は通常それを受け入れます。しかし、提案者が8000円を自分に、2000円を応答者に分ける提案をした場合、多くの応答者はこれを不公平だと感じ拒否します。結果として、両者とも報酬を得られなくなります。これは、応答者が不公平な提案をした提案者に対して罰を与えたいという心理的な動機から来る行動です。

このような行動は、現実の社会でも見られます。例えば、お金持ちや芸能人が不正や不倫をした場合、一般の人々よりも厳しく非難されることがあります。これは、人々が平等を求める気持ちから来るものであり、特に悪意ある行動をする上位者には罰を与える傾向があります。

悪意がなくとも批判されることもあります。これは嫉妬や妬みを感じたら上位者でもなくても、相手の小さな失敗を見つけて攻撃したり、事実無根の噂を言ったりすることで、相手が苦しむ姿を見て楽しむ人々がいるのです。特に匿名性の高いネットではこうした攻撃を目撃することが多くあります。

人々が公平感をただすことは理解できますが、度を過ぎた正義感は困りものです。日本人は特に村社会的な背景があり、互いを監視し、他の人より抜きんでるのを阻む傾向があるのかもしれません。

最後通牒ゲームを通じて、人間の心理や行動について考える機会を得ました。このゲームから、社会における公平感が人々の行動に影響していることを理解しました。ただ、避難ばかりを繰り返すのではなく、もっと互いに尊重し合う社会を築きあげていきたいものです。

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