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SpaceXのRaptorエンジン

SpaceXの革新性は、従来不可能と考えられていたアイデアを現実化する力にあり、その代表例がスターシップのRaptorエンジンです。このエンジンは、従来のロケットエンジン設計を根本から見直し、新しい燃料であるメタンを使用しています。これまで使用されていたケロシンとは異なり、メタンは完全燃焼が容易で、メタンはススが少なく、再利用性に優れており、イーロンマスクが目指す頻繁な打ち上げに適しています。

Raptorは「フルフロー段階燃焼サイクル」という複雑な設計を採用しており、燃料と酸化剤がそれぞれ独自のガスタービンを持ち、独立して動作します。この結果、非常に高効率な燃焼が実現します。この設計は、従来のMerlinエンジンの「オープンサイクル」とは異なり、すべての排気をシステム内に閉じ込める「クローズサイクル」を採用しており、高い効率性と信頼性を実現しています。

Raptorエンジンは小型ながら230トンの推力を生み出し、非常に高い推力重量比を持っています。さらに、設計は簡素化され、製造コストが削減されています。これにより、SpaceXは大量生産を目指し、宇宙船をジェット機並みに普及させることを計画しています。最終的な目標は、スターシップを地球、月、火星間の輸送手段にするだけでなく、人類の太陽系への進出を可能にする重要な乗り物にすることです。


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