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成田雄介の卒業式メッセージ:成功よりも没落を選ぶ

卒業式と言えば、成功者や経営者が情熱的なメッセージを語る場面が多い。成功への道を説くその言葉に、多くの人が心を動かされる。しかし、成田雄介はその流れとは一線を画し、逆説的なメッセージを送りました。彼が伝えたのは意外な一言でした。

「投げられた石にとって、登ることが良いわけでも、落ちることが悪いわけでもない」

この比喩が示すのは、成功も失敗も、そこから価値判断するのではなく、ただの状態でしかないということ。成功者は特別でも何者でもない。たまたま運が良かっただけ。この冷静な指摘は、成功を求めすぎる現代社会に対する批判でもあります。成功は常に目指すべきものではないし、そこに至る過程も理論化できるわけでもありません。

未来に向けたメッセージとして、彼は「挑戦すること」の重要性を強調しました。現代社会はルールやコンプライアンスに厳しくなり、挑戦や実験を阻むことが多い。

成田が示した「3つのアプローチ」
幼児性
異国性
武士性
もまた独特です。幼児の無邪気な視点で真実を見抜くこと、外部の視点で自由に発言すること、そして自らを犠牲にしてでも社会のために行動すること。これらが、新しい時代を生き抜くための指針となると成田氏は言います。

そして武士性。渋沢財閥がGHQから「協力してくれてら解体を免除する」と言われたが、それを拒否し解体提案を自ら受け入れたエピソードを引き合いに出し、破壊的な行動こそが次のステージを切り開く鍵であると言います。

成功を次々と追い求めるより、あえて「成功を忘れる」こと、つまり、自ら破壊する精神を持つべきだと彼は説きます。

成田さんは「成功するより没落しよう」と結びました。成功の頂点でなく、あえて没落することに意味を見出す。その時にこそ、新しい何かが始まるのだと。彼が言うように、「没落」こそが真の成功であり、成功することが没落なのかもしれません。

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