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ペテルギウス:赤い超巨星の魅力と謎

ペテルギウスは、オリオン座の左肩に輝く赤色超巨星で、地球から約650光年離れています。夜空で10番目に明るい星として知られ、見かけの等級は+0.5前後ですが、+0.3から+1.2まで変動する変光星です。その輝きは目を引くだけでなく、星の進化を探る貴重な対象となっています。

この星は寿命の最終段階にあり、いずれ超新星爆発を起こすと考えられています。この爆発は地球から見ると非常に明るく、昼間でも観測可能になると予測されています。まさに天文学者や星空ファンにとって注目の存在です。

ペテルギウスの特異な特徴の一つはその回転速度です。ドップラーシフトと呼ばれる望遠鏡で星の回転速度を計測しました。画像で見ると近づく部分が青みを帯び、遠ざかる部分が赤みを帯びる様子が望遠鏡で捉えられます。そこからペテルギウスの表面は時速18,000km(約5 km/s)で回転しているように見えます。通常巨大な星の表面速度はこんなに速くありません。実際の回転速度は赤道付近で1~2 km/s程度と推定されています。

ペテルギウスの巨大さは驚異的です。その直径は太陽の約700倍もあります。こうした特徴から、膨張して赤色巨星となる過程で、近くの惑星を飲み込む現象も確認されています。これにより、星の回転速度が一時的に増加する可能性があります。

またペテルギウス表面の乱気流や強い対流によるものの影響も考えられます。この乱気流は直径数千万kmに及ぶ巨大な対流セルを形成しており、局所的な運動速度が高く観測されることもあります。

ペテルギウスはその壮大なスケールと神秘的な特性で、私たちに宇宙のスケールの大きさを実感させてくれる存在です。これからの観測で、さらに多くの驚きが解明されることでしょう。


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