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横転したデルタ航空4819便の事故の概要とパイロットについて

2024年2月17日、デルタ航空の地域運航会社であるエンデバー・エアが運航するデルタ4819便(CRJ900)が、カナダ・トロントの空港で着陸時に機体が破損する事故を起こしました。乗客76人と乗員4人が搭乗していましたが、奇跡的に死者は出ませんでした。

事故の状況

天候は真西から風速23ノット、突風33ノット。気温-8°Cで視界良好、滑走路には軽い積雪。着陸進入は通常のパラメータ内で安定していたが、突然突風が吹き、機体を傾けた後、右側の主脚が地面に衝突し、右翼が破損・炎上。燃料が翼にあったため火災が発生。左翼は健在で揚力を発生し、機体が反転し、胴体と左翼は滑走路を滑り、最終的に停止した。飛行機が逆さまになっている間、全員を飛行機から降ろすことになりました。

パイロットについて

機長はジム・ヒンマン(Jim Hinman)。2013年に航空輸送操縦士(ATP)資格を取得。CRJシリーズのタイプ・レーティングを持ち、シミュレーター教官も務める。エンデバー・エアで長年勤務し、一度デルタ本社に昇進するも、訓練に苦戦しエンデバーに戻る。

副操縦士はケンドール・スワンソン(Kendall Swanson)。26歳で、事故の6週間前にATP資格を取得したばかり。ノースダコタ大学で航空学を専攻し、2022年卒業。飛行教官の経験があり、「制限付きATP(Restricted ATP)」資格を持つ(経験時間が不足しており、機長にはなれない)。2023年7月に「月間最優秀教官賞」を受賞。

事故の原因は未解明

着陸直前、通信では機長の声が記録されており、通常これは副操縦士が操縦していることを示す。事故時の強い横風が影響した可能性がある。通常、新人副操縦士には横風の制限があるが、エンデバー・エアの具体的な基準は不明。右主脚の構造的欠陥も考えられるが、現在の調査では不明。

事故後の対応

カナダ運輸安全委員会(TSB)は調査を進めており、フライトレコーダーとボイスレコーダーを解析中。デルタ航空は乗客・乗員全員に3万ドル(約450万円)を支給(合計230万ドル)。負傷者は全員退院済み。訴訟が2月20日以降に開始される見込み。

結論

現在、事故の原因は特定されておらず、パイロットの責任か機体の問題かは不明。SNSでは「機長が機体をコントロールし奇跡的に救った」といった誤情報も出回っているが、実際には着陸後の制御はほぼ不可能だったと考えられる。調査の進展が待たれる。


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