政治で言う右と左とは?
「右翼」と「左翼」という政治用語は、フランス革命に端を発しています
右翼(Right-wing)と左翼(Left-wing)の歴史的な起源
フランス革命(1789年)時の議会で、右側に座ったのが国王や貴族の既存の秩序を守る「保守派」。左側に座ったのが平等や新しい社会体制を求め、国王の権力を否定する「革新派」でした。この配置が、現在でも「右翼=保守」「左翼=革新」という象徴的な意味に引き継がれています。
しかしその意味も時代や国によって変化してきました。
現代の日本での「右翼」と「左翼」
右翼は伝統的な価値観や文化の維持を重視。国防や国家主義を強調し、時に憲法改正を支持する傾向が強い。自民党や保守的な政治団体が該当します。
左翼は平等や人権の拡大、社会の変革を重視。反戦や平和主義に重きを置き、憲法9条を守ろうとする。共産党や立憲民主党の一部などがこの立場に該当します。
憲法9条の改正議論と若者の見方
憲法9条の改正(戦争放棄の条文)は、日本の政治で「保守」「革新」の大きな争点です。自民党は9条の改正を支持することが多く、共産党や立憲民主党は9条の維持を主張しています。これが本来の保守と変革が逆になるため話がややこしくなります。
過去は「若者=左派支持」という傾向でしたが、最近の若者の政治意識としては保守的な政策を支持する若者も増えています。また、「働き方改革」や社会制度の変革を求めている若者もいるため、「今の若い人は保守か革新か」は一概に決められません。
「保守」と「革新」の相対性
重要な点は、「保守」や「革新」も時代と文脈で変わることです。
例えば、かつて「憲法9条を守る」ことは革新的とされましたが、今では「守る」ことが保守的と見なされる場合もあります。同様に、自民党が進める「働き方改革」は、従来の保守的な価値観からの変革を志向する政策でもあります。
政治の「右」と「左」は単純な対立ではなく、社会や時代の状況に応じて柔軟に変化しています。現代では、従来の枠組みに当てはまらない新しい価値観や政策が登場しており、右派・左派の境界が曖昧になってきています。