
栃木銀行赤字
栃木銀行は25年3月期連結業績予想について最終損益を36億円の黒字から223億円の赤字へ下方修正すると発表しました。
低金利時代に購入した低利回りの長期債券や外国債券ファンドが、金利上昇による価格下落で含み損を抱えていることは、多くの地方銀行に共通する課題です。特に、日銀の金融政策修正(マイナス金利解除や長期金利の許容幅拡大)が進む中で、栃木銀行もこのリスクを大きく受けている可能性があります。
含み損の拡大メカニズム
過去の低金利環境
地方銀行は貸出で十分な収益を確保しにくかったため、低利回りでも比較的安全とされる長期国債や外国債券ファンドを多く保有していました。
金利上昇による債券価格の下落
金利が上昇すると、既発債券(過去に低金利で発行されたもの)の価値は下がります。これは、今の市場で新規に発行される高利回りの債券の方が魅力的になるためです。
円金利の上昇による影響
日銀がマイナス金利解除を示唆し、円金利が上昇すると、円建て債券の金利も上昇し、含み損が拡大します。
外国債券ファンドのダブルパンチ
米国などの海外金利が上昇し、為替が円高方向に振れれば、外債ファンドは金利上昇と円高の両面で評価損を抱えやすい。特に、円安局面で外債投資を増やしていた銀行は、為替の巻き戻しによる影響を受けます。
栃木銀行のリスク対応
栃木銀行の直近の決算説明資料によれば、同行の有価証券運用においても含み損が拡大していることが指摘されています。また、2023年3月期の決算でも、債券評価損が自己資本に悪影響を与えていることが確認されています。
債券ポートフォリオの見直し
含み損が一定水準まで拡大してしまった債券を一部損切りし、より高利回りの運用資産にシフトするため、当面は中短期国債(2年~5年債)とアセットスワップ中心の再投資を計画。
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