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8月頭の株価暴落を振り返る
2024年8月初頭の株価暴落は、複数の要因が複雑に絡み合った結果として起こりました。
7月下旬、日本銀行が追加利上げを発表したことで、今後も利上げが続くのではないかという憶測が市場に広がりました。この不安定な状況に加え、8月2日に発表された7月の米国雇用統計が景気後退の兆しを示唆し、市場にさらなる不安感を与えました。
これらの要因が重なり、8月5日の東京市場で日経平均株価は4451円安という大幅な下落を記録しました。翌日には一部持ち直しましたが、成長株(グロース株)は翌日も下げました。この下落の背景には、「信用買い」と呼ばれる投資行動が影響を与えていました。
信用買いとは、投資家が証券会社に現金や株式を担保にお金を借りて株を購入する方法です。8月5日のように株価が大幅に下落すると、保有する株の価値が下がり、証券会社は投資家に追加の担保(追証)を要求します。この追証のために、投資家は保有株を売却するか、追加の現金を用意しなければなりません。8月頭には、この追証の連鎖が発生し、多くの投資家が保有株を売却した結果、さらに株価が下がるという悪循環が生じました。
下落するまでの信用買いの残高のグラフが以下。
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このグラフから1月から信用買いの残高が急激に増加していたことが分かります。この時バブル期にありました。株価は更に上がり続けるイメージが皆にはありました。それが今回の大暴落を助長しました。株価が7月に最高値を記録した際、信用買いによる購買力もピークに達しており、市場は不安定なバブル状態にありました。しかし、日銀の利上げや米国景気後退の懸念が引き金となり、このバブルが崩壊しました。そして、信用買いによる株の売却が下落を加速させ、更に普通株の売りも連鎖的に続き、さらなる下落を招きました。
最終的に、投資家たちが売るものがなくなると、株価は底値を迎えることとなり、次第に株価が上昇するというのは世の常です。
今回の暴落は、7月末に下がり始めた予兆があったので、リスクを避けるなら、信用買い等のリスクは手放しておいた方が良かったのかもしれません。くれぐれも素人が信用買いをやるべきではありません。
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