余命10分 / 2022年10月11日 — 秋葉山。
四十九日法要が終わったらやると決めていたことの1つに「登山」がある。本当は母がもう少し長生きして、顔を見せに来た時にでも、気晴らしに登れたらと思っていたけれど、こんなタイミングになってしまった。
10月11日。晴れ。
実家から車を10分ほど走らせたところにある「秋葉山」という山。標高 500m 程度と低い山ではあるけれど、自然が豊かで、このあたりの子どもたちは遠足で登るとおばさんから聞いた。
子どもでもかんたんに登れるということだけあって、山頂まではあっという間だった。片道約45分程度で見えたパノラマ。
母の葬式が行われた町は、かつて母と一緒に買い物をして回った町。スーパーのヤマザワ、遠藤鮮魚店、肉の旭屋、まるひろ。毎年のように初詣をした熊野大社。
青空の下に広がる街を一望しながらコーヒーを淹れて飲んだ。
登っている途中にかいた汗で体が冷えた。
下山して、スーパーで父との夕飯のための買い物をして、父と母が暮らしていた山形市内のアパートへ向かう。母を看た実家から、いつものアパートへ戻ることで、少しずつ、日常を取り戻すのだ。
父とふたりで過ごすアパートはなんだか変な感じがした。アパートの話はまた詳しくどこかで書けたらと思う。
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